この国で唯一の月刊FX情報誌を刊行している立場から、多くのトレーダーが犯しやすいミス、陥りがちな勘違いを抽出し、皆さんと共有していくのが当企画の目的です。今回は「FXを上達していくステップアップ」について考えていきたいと思います。
※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです
【FXトレード作戦室[FX攻略.com編集部]】
・第1回 リーグ戦とトーナメント戦
・第2回 スキャルピングを始める前に
あわてて結果を求めすぎない
前提として、ある一定割合の個人投資家の皆さんは、FXに対して性急な結論を求める傾向があります。「今すぐお金を増やしたい」「この相場はただちに上がるのか、下がるのか」といった具合です。即時的な成果を求めるのは、熱意の裏返し的な面もあるでしょう。
とはいえ、相場では全てのトレーダーがお金を増やせるわけではありません。誰かが利益を出すためには、誰かが損失を負わなければいけないのが相場の仕組みです。
そして、FXで利益を出すということは、何十年も相場を研究して利益を出している、プロの側に自分が立つということです。それが一朝一夕に成し遂げられるわけがないですよね。
デモトレードでは基本の基本を知る
さて、性急な結論を求めず、じっくり相場に取り組んでいくべきとして、どういった基準でトレードを上達していけば良いのでしょうか。ここでは、トレーダーのステージを、
「デモトレード」
「少額投資」
「本気運用」
の三つに分けて考えることとします。各ステージで十分に経験を積んだら、その次のステージにステップアップすると考えると分かりやすいでしょう。
まず、デモトレードですが、ここでは相場の基本的な仕組み、トレードをするときの流れ、取引ツールの使い方を学びます。24時間レートが動き続ける為替相場の雰囲気や、新規建てから決済までのフロー、そしてFX会社それぞれの取引ツールの基本操作までをマスターできたら、次のステージにステップアップしてください。これらの基礎は難しくないため、ほとんどの方が少額投資に進むことができるはずです。
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少額投資は卒業が難しい
少額投資は、おそらく長く滞在することになるステージです。SBIFXトレードの1通貨取引、マネーパートナーズの100通貨取引など、リアルマネーではありますが小さな売買数量でトレードをすることにより、実資金を動かすことによるメンタルの変化を体験することができます。お金がかかっていないデモトレードで、真剣にトレードの練習をすることは難しくても、実際のお金なら本気になれる方も多いでしょう。
少額投資のステージで目指すのは、長期的なトレードによる継続的な利益です。特定のトレード手法や分析のアプローチで何回もトレードを繰り返し、そのやり方で継続的な利益を出せるかどうかを検証するのです。
また取引単位を、1通貨から100通貨、1000通貨というように、段階的に引き上げていくことで、来たるべき本気運用時のストレスへの耐性を高めていきます。
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・少額1000通貨でFX比較
本気運用へはなかなか到達できず
少額投資で半年〜数年単位のテスト運用を経て、自信と技術が身についたら、いよいよ本気運用への移行タイミングです。長期間に数百回、数千回とトレードをしてお金が増えているのなら、そのやり方に優位性がある可能性が高く、実資金を投入して運用する価値があります。
逆にいえば、この段階に到達していなければ、大きなロットでトレードをするべきではありません。なお、本気運用に移行したものの、運用結果が芳しくなければ、そこからまた少額投資に逆戻りすることもあり得ます。
この雑誌が創刊した当時は、まだ1000通貨以下の取引ができるFX会社が少なく、少額投資という選択肢がありませんでした。せっかく取引単位が多用化したのですから、本気の運用をする前に、ぜひ少額投資で十分な検証・練習をしましょう。
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まとめ 3つのステージをステップアップし無理のない上達を!
最後に。デモトレードから少額運用、少額運用から本気の運用へとステップアップしていく例です。
デモトレードは、金銭的なリスクがなく、相場の仕組みやトレードの流れ、取引ツールの使い方を学べますので、まずここからFX初心者は始めるべきです。ただしデモトレードはメンタル的な負荷がなく、勝つ喜び、負ける悲しみがないため、ある程度経験を積んだ段階で少額投資に移行するべきでしょう。
少額投資を半年から数年続けていくなかで、着実にお金を増やしていけると自信を持ったら、いよいよ本気の資産運用へと移行しましょう。
ステージ1|デモトレード
■メリット
一切お金を使うことなく、トレードソフトの使用方法や、FXにおける取引の流れを実際のレートで体験できる。
■デメリット
お金がかかっていないので、どうしてもいいかげんなトレードになりがち。また、スリッページは発生しない。
FXの基本的な知識やトレードツールの使い方をマスターしたら次のステージへ!
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ステップ2|少額取引
■メリット
実際の為替相場において、トレードや分析を行える。お金がかかっているので、メンタル的負荷も発生する。
■デメリット
リアルマネーとはいえ少額なので、大きくお金を稼ぐことはできない。また、FX会社の選択肢が狭くなる。
特定のトレード手法を1年間少額運用し十分な成績だったなら次のステージへ!
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ステップ3|本気の運用
■メリット
実力と経験があれば、本格的な資産運用ができて、まとまった利益を得ることができる。
■デメリット
実力が伴っていなければ、大きく資産を減らす可能性がある。また、メンタルへの負荷が大きく、精神力も試される。
ステップアップを無視した失敗例…
<失敗1>
取引ツールの操作を覚える前にいきなり実運用をして、売り買いのボタンを間違えて損失を負った。
<失敗2>
覚えたての手法を多額の資金で運用した結果、期待した結果にならず、大損してしまった。
※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです
【FXトレード作戦室[FX攻略.com編集部]】
・第1回 リーグ戦とトーナメント戦
・第2回 スキャルピングを始める前に
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |