いくら使っていくら増えたか、でしょ?
今も書店に行ったり、インターネット上をさまよっていると、「毎月100万円稼ぐ私の必殺FXトレード」「5億円トレーダーが教えるFX投資術」のように、獲得金額アピールの表現をよく見かけます。
…もうね、これやめませんか。良くないです。この業界にとっても。
FXや株のような投資もそうだし、会社を興してビジネスをするのもそうだし、あらゆる経済活動はリスクとリターンの兼ね合いで良し悪しが決まるわけじゃないですか。こんなの僕がいうまでもないですよね。
8時間労働するのがリスク、日給1万円がリターン。商品を1万円で仕入れるのがリスク、それを1万5000円で売るのがリターンじゃないですか。
1日1万円もらった、1万5000円儲かったというように、リスクの部分を無視して、リターンだけをアピールしても現実からはほど遠いわけです。同じ1万円の報酬でも、労働時間が1時間なのか8時間なのかで、意味はぜんぜん違ってきます。
そして取れるリスクが大きくなるほど、望めるリターンも大きくなるという重要なルールがありますよね。商品1個売るより100個売ったほうが利益は大きくなるけど、もちろんその分だけ仕入れ金額も大きくなるわけです。
FXで1億円勝つことはもちろん可能ですが、取れるリスクの幅に応じて難易度はものすごく違ってきます。資金が100億円あれば1%増やすだけですが、資金が100万円しかなければ、100倍に増やさなければいけません。
もちろん、一気に資金を大きく増やそうとするほど、その分だけ危険度も増すのはイメージできますよね。
ただ、この考え方が当てはまらない経済活動もあります。例えばパチンコやパチスロ。これらは、「1日で20万円勝った」というアピールはありです。なぜなら、1日使える金額が決まっているからです。
パチンコやパチスロはお店に玉やメダルを借りて遊技するわけですが、その借りるレートは全国一律なんですね。カイジの沼のように、異常な高レートはありえません。
また、一定時間あたりに消化できるゲーム数が決まっています。これらの理由から、パチンコやパチスロは、誰がやっても投資額が同じになるため、単純な結果のアピールでも信憑性があるのです。
資金と時間、そして結果どれが欠けてもダメ
というわけで、投資の世界においては、1億円勝つことはとても大切かつすごいことですが、もっと大切なのはどれくらいの資金があり、どれくらいのリスクを取ったかです。
このあたりを理解しないで参加すると、ごく小さな資金でいきなり大勝ちを狙う行動をとりがちになります。その結果として、ほんの小さな負けも許容できなくなり、結果として損切りの遅れ、ポジションの塩漬けにつながります。
そういう意味で、利益を残すために要した期間も大切ですよね。コツコツ増やして何年もかけて資産を築くのと、一撃で大金を稼ぎだすのとでは、戦略も背負うリスクもまるで違うものとなります。
結論。「いくら儲かったか」の話をするとき、聞くときには、「どれくらいの資金」で、「どれくらいの期間」の運用をしたか。これらすべてをセットにして判断していきましょう。ひとつでも欠けるだけで、ほとんど意味のない話になってしまいます。
ただ、この件は、僕らメディア側の責任もかなり大きいです。本当のことだけでアピールしようとすると、どうしても地味で魅力のないうたい文句になってしまうのです。
「年に15%増やす投資手法」よりも、「年に1000万円増やす投資手法」のほうが、ずっと見栄えは良いのです。ちなみに年に15%増やすのは、相当優秀です。ほとんどゼロに近い銀行の金利を考えると、神の領域であるとさえいえます。
結局のところ、いくら勝ったかより、何%増やしたかが大切なわけで、時間がかかってもこのあたりの啓蒙をせねば、と鼻息をたまには荒くしてみました。
※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便り(4月20日発行)に掲載されたものを加筆・編集したものです。
(FX攻略.com WEB編集長 鹿内武蔵)
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |