トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
昨日の佐川氏証人喚問は鉄壁のガードで無難にこなしましたが、マーケットのテーマは米中貿易戦争、さらには対日貿易是正であり、トランプ政権に振り回される状況は変わりません。世界的な株価下落などリスク要因も多く引き続き警戒が必要となります。また、今週は海外勢の多くがイースター休暇を迎えることで週末にかけてリクイディティが低下するため、ポジション管理はしっかりとしておきましょう。
トランプ政権の狙いはドル安も…
本日発表される経済指標は米GDP確報値が予定されておりますが、現在は米経済指標の結果より、トランプ政権の通商政策に左右される展開となります。トランプ政権は、表向きは強いドルを強調していますが、本当の狙いはドル安にあります。支持率低下が止まらないトランプ大統領が中間選挙に向けてアピールするには貿易赤字を解消して自国通貨安というのが最もわかりやすいシナリオだからです。やり方こそ違えど日本がアベノミクスで円安へ誘導したようにアメリカもドル安にしようとしているのです。根底に秋の中間選挙を睨んだドル安政策がある以上、ドル円の大きなトレンドは下方向にあるのだと思います。
とはいえ、トランプ政権が本気で貿易戦争を仕掛けるかどうかは疑問が残ります。中国と泥沼の戦いは望んでいないでしょうからトランプ大統領得意のマイクパフォーマンスの側面が大きいのでしょう。ある程度の妥協点を見出しながら調整していくのであれば一方的な展開にはならないのではないでしょうか。ドル円の下落局面があれば短期でついていくというのが安全です。
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イースター休暇によるリクイディティ低下に警戒を
ドル円は「実需勢のドル買いVS短期勢のドル売り」といった構図をイメージしています。この勝負どちらが勝つかはわかりませんが、短期筋は材料の内容は問わず米通商政策を口実にとにかく下値攻めしてきます。安値更新のタイミングなどがウィークポイントとなります。また、週末にかけて海外勢はイースター休暇となるため、市場のリクイディティが極端に薄くなります。市場の厚みがなくなった時も短期筋が仕掛けやすい局面となりますので十分に警戒が必要となるでしょう。
強固なレジスタンスとなる21日移動平均を上抜けられるか
テクニカル面でもレジスタンスは引き続き21日移動平均線の差し掛かる106.00円がポイントとなります。終値ベースでしっかり上抜けてこないとロンガーには苦しい展開です。一方、サポートは今週のオープンでつけた104.60円がターゲット。抜けると104円が視野に入ります。さらにこのレベルを下抜けるとトランプラリーの101.20円が意識されることになります。
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