トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
注目されていた日米通商協議(FFR)は米国側から厳しい要求されるとの見方が一部ありましたが、特段材料視されることはなく、無事通過となりました。ドル円も小動きではありますが、112円をブレイク後に下値を固めつつ、しっかりした展開から上昇トレンドを形成しております。今夜はFOMCが予定されており、ドル円は上昇トレンドを継続することができるかが焦点になりそうです。
ドットチャートとパウエル議長の記者会見に注目
今回のFOMCでは0.25%利上げがほぼ織り込み済みとなるため、注目はFRBが示す2021年までの経済見通しやFOMCメンバーの金利見通しを示すドットチャート、さらにはパウエル議長の記者会見となります。記者会見ではあしもとのFOMCメンバーやパウエル議長の発言からタカ的スタンスが維持されると思われますが、米中貿易戦争長期化への懸念から慎重な発言もあるでしょう。強弱がミックスした会見になる可能性もあり、内容次第でどちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨もうと思います。
ただ、これまでFOMC後にはセルザファクト的な売りが散見することがありますが、今のドル円のモメンタムであれば、これまでと違って沈み続けることはないと考えています。FOMCを無事消化することができれば日米金利差を背景として年初来高値となる113.39円が視野に入るとみています。
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英国は「合意なき離脱」に向かっていくのか
ブレグジットがマーケットのメインテーマになるなか、連日要人発言に振らされる展開となっております。
ブレグジットに関する合意成立をメインシナリオとしつつも、メイ首相は「EU側が現在提示している条件を受け入れるよりは、合意しないまま離脱する方が望ましい」と発言をしており、英国が「合意なき離脱」に向けて進んでいる可能性は否定できません。
事実、英国は「合意なき離脱」の準備書を公表し民間で準備、用意すべきものをリストにして出しました。内容を見ると通商、関税、金融サービス、補助金の管理、医薬品、原子力と多岐に渡っていることがわかります。ここから推測できることはEU側が大きく態度を変えない限り「合意なき離脱」を厭わない姿勢が表れているように思えます。合意なしの方向を打ち出すことでEU側の妥協を引き出したいのかも知れませんが、相当にリスクが高い「合意なき離脱」が本当にできるのかここから佳境にはいっていくのでしょう。
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