平均足+移動平均線、ボリンジャーバンド、RSI|外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術

「平均足」は売買判断が非常に明確で、初心者にぴったりのテクニカル指標です。平均足には短期的なトレンドが反映されているので、自然と順張りトレンドフォローが身につく点も大きな魅力です。いわば「逆張り矯正装置」の効果があり、他のテクニカルとの組み合わせも簡単なので、手っ取り早く実戦で勝率アップを目指すには最適の指標といえるでしょう。

※この記事は、FX攻略.com2016年5月号の記事を転載・再編集したものです

足の上辺と下辺が「平均値」で計算される平均足の仕組みと売買シグナル

日本の投資家は逆張りが大好きなことで知られています。「下がって安いから買う」というのがその発想ですが、2016年年初の外貨急落でも分かるように、為替相場はどこまで下がり続けるか、判断が難しいものです。

その点、今回取り上げる「平均足」はトレンドを反映して設計されているため、自然と順張り志向が身につきます。しかも、トレンド転換に対する反応が移動平均線より素早いので、トレンド発生の初動段階をうまくとらえることが可能です。簡単にいうと、「下がった後、少し上がり始めたところを買う」というのが平均足チャートの狙いになります。

その最大の長所はとにかく売買シグナルが非常に分かりやすいことです。シグナルは、

・「平均足が陽転すれば買い」
・「平均足が陰転すれば売り」

というたった二つだけ。初心者でもすぐ使えるので、「FXを始めてみたけれど、なかなか思うように成績が伸びない」という方にこそ、ぜひ試してほしいテクニカル指標なのです。

まずは図1に「平均足」の仕組みを、一般的な「ローソク足」と比較して掲載しました。

ローソク足は期間中の「始値・高値・安値・終値(現在値)」という四つの情報で1本の足が作られます。対して「平均足」は1本前の足や現在の値動きの「平均値」を使って、足の実体部分を作る点に大きな違いがあります。つまり、

A「1本前の始値・終値の平均」
B「期間中の始値・高値・安値・終値(現在値)の平均」

という二つの平均値が、足の実体部分の上辺と下辺になっているのです。

そして、前の期間より現在の期間の平均値が上なら(B>Aなら)「陽線」(図では緑)、下なら(A>Bなら)「陰線」(図では赤)になります。

例えば、「米ドル/円」レートが、「始値119円 安値118円50銭 高値120円50銭 終値120円(前日の始値118円、終値119円)」で推移したとします。そのときの平均足は、

「上ヒゲが120円50銭
実体の上辺 119円50銭
実体の下辺 118円50銭
下ヒゲ なし」

というコマ型の陽線で示されることになり、ローソク足とかなり違った形状になります(図1)。

平均足が別名「コマ足」と称されるのも、足の実体部分のいずれか一方だけにヒゲが伸びて“コマ”のような形になることが多いからです。ヒゲの部分はローソク足と同じように「上ヒゲ=高値」「下ヒゲ=安値」ですが、上昇局面では期間中の安値が前の期間の平均値(=始値)を下回ることが少ないため、下ヒゲがなく、上ヒゲの長い陽線が続きます。反対に下降局面では上ヒゲがなく、下ヒゲの長い陰線が続きます。つまり、

・「長い上ヒゲのある陽線=高値更新で上昇力が強い」
・「長い下ヒゲのある陰線=安値更新で下降力が強い」

というように、ヒゲに対する判断もローソク足とは正反対になる点に注意が必要です。逆に、

・「下ヒゲが伸びた陽線は上昇失速の兆し」
・「上ヒゲが伸びた陰線は下げ止まりの兆し」

となります。

また、ローソク足は直近の足を見れば、現在値がすぐ分かりますが、平均足は現在値がどこにあるのか分からない構造になっています。そのため、現在値が少し動いたらすぐ利益確定するような秒速、分速単位の「スキャルピング」トレードには不向きです。

図2は同じ期間の為替レートの値動きをローソク足と平均足の二つで表示したものです。

一見して分かるように、ローソク足に比べて平均足の方が陽線や陰線が連続して出現します。図のAのゾーンのように陰線が連続している間は、下降トレンドが続いているので売り継続という判断を下しやすくなります。

ただ細部のニュアンスを見ると①、②、④、⑤のように、ローソク足では大陰線や大陽線となって相場が急変動していることが分かりますが、平均足では上ヒゲ・下ヒゲが長い十字線の形状になることが多く、相場状況がよく分からない欠点もあります。

逆の見方をすると、平均足を使うと、短期的なめまぐるしい値動きに翻弄されるリスクを回避できる、ということ。相場の細かい値動きに惑わされることなく、大局的なトレンドに沿った売買ができるので、自然と投資成績が上がる結果になるのです。

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移動平均線やボリンジャーバンドと併用すると精度の高い取引ができる

図3は「英ポンド/円」の昨年後半からの日足チャートを平均足で描画し、10日と25日の移動平均線を加えたものです。

画面左の上昇局面では緑の陽線が連続して出現、反対に画面右の下降局面では赤の陰線が連続して出現しており、ともに強いトレンドが続いています。こういう局面では下手にあれこれ考えず、買いや売りを継続していればトレンドが続く限り、利益が出ます。

・「平均足の陽線連続が続く限り、買い継続」
・「平均足の陰線連続が続く限り、売り継続」

というシンプルな売買ルールが最も威力を発揮するのが、こうした強いトレンド相場なのです。

当然、平均足に移動平均線など他のテクニカル指標を組み合わせると、よりダマシが少なく精度の高い取引ができます。

図3の「英ポンド/円」は画面中央で乱高下を繰り返していますが、A、B、Cの地点のように、平均足が10日・25日移動平均線を割り込んだうえで陰転した場面は格好の売りポイントになっています。

反対にDの地点のように、平均足が陽転したうえで10日移動平均線を上回った地点は格好の買いポイントになります。

平均足の陰転/陽転だけだとダマシに会う確率も高くなります。移動平均線の傾きや平均足との位置関係をダブルチェックすることで、それほど長くて強いトレンドでない為替レートの上下動も利益に変えることができるのです。

移動平均線以上に平均足と相性が良いテクニカルとしては「ボリンジャーバンド」も注目です。

ボリンジャーバンドの弱点は、「確率5%以下といわれる為替レートの±2σ越えで逆張りするか順張りするか」判断しづらい点です。ローソク足だと、±2σラインに到達した後に勢いが鈍るのか、それともますます加速するのか、なかなか分かりません。その点、平均足を使えば、

・「ボリンジャーバンド±2σ越え+平均足の色が継続」なら強いトレンド継続→順張り
・「ボリンジャーバンド±2σ到達+平均足の色が転換」ならトレンド失速→逆張り

といった判断を下すことができます。

図4は昨年後半、下値もち合いが続いた「ユーロ/米ドル」の日足チャートに平均足とボリンジャーバンドを描画したもの。

図4のAの地点では「ユーロ/米ドル」がプラス2σを越える強い動きをしています。その際の平均足は陽線でここは順張り買いで追随するのが妥当でした。

その後、Bの地点で平均足が陰転。相場は下落に転じており、買いポジションを利益確定し、判断を180度変えてドテン売りを仕掛ける格好のポイントになっています。

同じくCの地点でも「ユーロ/米ドル」はプラス2σから反転下落し、平均足が陰転。二つのシグナルの同時点灯で素早く売り転換すれば、下降トレンドの初動段階をとらえることができました。

その後、Dのゾーンのように「為替レートのマイナス2σ越え」と「平均足の陰線継続」が続く間は売り継続で大きく儲けられました。

むろん、相場の山と谷をピンポイントで当てるのは至難の業です。逆張り派の人たちは「今、下がり続けているけど、自分が買った瞬間、絶対上がり始める」と考えて失敗します。しかし、もし、その“予想”が当たれば、相場の天底で買えて一番、大儲けできるわけですから、逆張りしたい気持ちは分からなくもありません。

その際、「平均足陽転/陰転」というトレンド転換シグナルが出るまで、少しの間、待つことができれば、単なる無鉄砲な取引から無縁でいられるのです。平均足にはある意味、「逆張り矯正装置」の効果があるといえるでしょう。

相場の天と地を狙った取引も可能。RSIとの組み合わせがオススメ

ここまで平均足の長所ばかりを述べてきましたが、平均足には陽線と陰線が交互に出るようなトレンドレスな相場では使い物にならないという欠点もあります。ただし、そうしたトレンドレスな相場で取引してもあまり儲からないのも事実です。

「平均足の陽線や陰線が連続して出現しないときは売買しない」

と割り切るのが欠点を長所に変えるための売買判断になります。

もう一つ、平均足の欠点といえるのは、平均足には現在値が示されていないため、陽転を待って買いエントリーした場合、かなり高値づかみをしてしまう点です。

その後、陽線が2本、3本程度しか連続しないと、そんなに儲からないか、結局含み損を抱えたままで終わるケースもあります。図4でいえば、Eのゾーンのような細かい上下動がそれにあたります。

ちなみに、平均足はスキャルピングには不向きですが、デイトレやスイングトレード程度の短期売買なら十分、威力を発揮します。

図5は「米ドル/円」の1時間足チャート(平均足)に、25時間移動平均線とRSIを描画したものです。

画面上の平均足の陰転/陽転と移動平均線の傾きの変化を見ると、平均足の転換の方が移動平均線の傾きの変化よりずいぶん早く起こっていることが分かります。短期トレードで細かい動きをとらえる場合、平均足のこの“素早さ”が武器になります。ただし、平均足だけではダマシも多いので、同じく値動きに素早く反応するオシレーター系指標のRSIも見て、強い値動きが失速して為替レートが反転するポイントを確かめます。

すると、A〜Eの地点では、

・平均足の陽転や陰転
・RSIの30越え、70割れ

が同時に起こっており、おおむね相場の山と谷を的確にとらえられる結果になりました。AやEのようにその後、大きな値幅を稼げたケース、Dの下落のようにそれほど値幅を稼げなかったケースなど、結果はさまざまですが、平均足とRSIのダブルシグナルで相場の反転をとらえる手法はトレンド転換の初動を狙うのにとても有効といえるでしょう。

ポジションを保有した後、平均足が25時間移動平均線を越え、移動平均線の傾きが転換した後は、細かい平均足の陰転/陽転には目をつぶって、ひたすらトレンドに乗って利益を伸ばします。

買い継続の間はRSIが70近辺に偏って推移しているかどうかで力強い値動きを確認。売り継続の間は、RSIが30近辺で推移しているかに注意を払いましょう。

その後、平均足の色が反転し、そのまま連続して同じ色が続いたら、判断を180度転換して、ドテン売買を繰り返します。

むろん、図5の①や②のように平均足が反転しても、すぐまた元の方向に戻るダマシも多発します。そうしたダマシはRSIの位置などに注目してトレンド転換の強さを判断すればある程度、回避できます。それでも回避できないときは素直に損切りして、再度チャンスをうかがいましょう。

平均足は判断が極めてシンプルで他のテクニカル指標とも簡単に組み合わせて使うことができます。初心者の方だけでなく、日頃は仕事で忙しく相場をあまり見ることができないサラリーマンの方などにもオススメしたいテクニカル指標なのです。

※この記事は、FX攻略.com2016年5月号の記事を転載・再編集したものです

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佐藤正和の写真

佐藤正和(さとう・まさかず)

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演するほか、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

公式サイト:外為オンライン

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