先週の米ドル/円相場は、Brexit(英国のEU離脱)の余震が続き、6月24日以来の100円台に突入した。金曜日に発表された米6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+28.7万人と予想の+18万人を大幅に上回ったが、FRBに追加利上げを促すほどではないとの見方から、ドルを押し上げるには至らなかった。
年内利上げは風前の灯、「利下げ」の声も
FF金利先物が織り込む利上げ確率(CME FedWatch)を見ると、今月のFOMCではゼロ%、9月で11.7%、12月でも27.6%となっている。今回NFPが大幅に上振れしたにもかかわらず、利上げ期待はさほど高まっていない。
米国の労働市場は、労働参加率が1970年代以来の低水準が続くなどスラック(弛み)が残っており、インフレも落ち着いていることから、FRBは利上げを急ぐ必要がない。そこへBrexitという巨大な不確実性が加わったため、FRBは可能な限り利上げを先送りして様子を見るのではないか、というのが市場の読み筋だ。
年内利上げ期待はもはや風前の灯で、ひょっとしたら逆に「利下げ」があり得るとの見方まで浮上している。
英不動産ファンドの混乱がパリバショックを想起
Brexitは今すぐに世界経済に悪影響を及ぼすという性質のものではないが、今後長期間にわたって不透明感が続くことは否定できず、何かにつけてリスク回避の口実にされるだろう。
先週は「複数の英不動産ファンドが解約停止」との報道が、2007年8月のパリバショックを想起させるとして円買いのトリガーとなった。パリバショックとは、大手仏銀のBNPパリバが傘下のファンドの解約を凍結し、リーマンショック~世界金融危機の発端となった事件である。
当時のサブプライム関連ファンドと今回の不動産ファンドでは仕組みも事情も全く異なるが、市場参加者の脳裏に「リーマンショックの再来」という言葉が浮かんだのは事実である。
破綻のリスクが公然と語られる大手銀行も
筆者はBrexitが直接的に金融危機を引き起こすとは思わないが、金融市場や資産市場の変動による損失が連鎖的に広がっていき、ドミノ倒しのようにファンドや金融機関の危機に波及していくリスクは否定できない。
欧州の銀行株指数は4年7か月ぶりの安値をつけており、特にドイツ最大の銀行であるドイツ銀行はなかば公然と破綻のリスクが語られている。巨額のデリバティブを手掛ける大手銀行に万一のことがあれば、その衝撃は「リーマンショック級」では済まないかもしれない。
ABCD包囲網に囲まれドル円は100円割れ不可避
米ドル/円はすでに3年ぶりの安値圏にあるが、不透明感・不確実性はますます強まっており、ここからの底入れ・反発シナリオを描くのはもはや困難だ。米国の大統領選の行方や中国人民元の切り下げリスクも気になる。
A:アメリカ、B:ブリテン(英国)、C:チャイナ(中国)、D:ドイツという「ABCD包囲網」に囲まれ、米ドル/円相場は100円割れ不可避の状況になりつつある。
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