2019年1月10日

手法は何でも良いの裏側[鹿内武蔵]

手法は運用できてこそ。ルール守れてます?

「FXで利益を出すためには、手法は何でも良い」

多くのFXトレーダーさんが、口を揃えていうことですが、どういう意図があるのでしょうか。そして、本当に手法は何でも良いのでしょうか? このあたりを自分なりに考えてみました。

まず思いつくのは、「手法よりもっと大切なことがある」ということです。つまり、手法だけでは勝てない。だから、手法は何でも良いという、ややエッジのある表現になっているのかと。

確かに、どれだけ優れた手法を知っていても、その通りに実行できなければ利益は出せません。しかも、一回や二回その通りにやるのではなく、いつでも同じように何百回、何千回と継続できてこそ、良い手法の統計的有意性が発揮されます。

そうなんです。良い手法というものは、毎回勝てるとかそういうのではなく、大量の試行数を確保すれば、勝ったり負けたりしながら、合計でお金が増えるものを指します。必勝は無理ゲーです。

良い手法を生かすためには、とにかくルールを守れること。特に、損切りを確実に執行できることは必須です。こういった意味から、手法は何でも良いという表現が導き出されるのかもしれません。

手法は道ばたに落ちている。お金を出せばまず手に入る

そもそも、良い手法さえあれば勝てると思っている方はいませんか? はい、私もそうでした(そして今もちょっとだけそう思っている)。既に述べたように、良い手法があっても、それを運用する能力がなければ勝てません。

そして、実は、良い手法はそこら中に無造作に転がっています。FX攻略.comにも掲載されていますし、インターネット上に優秀なEAがよく落ちています。本屋さんで売っているFX関連書にも使える情報はありますし、もうちょっとお金を出してちゃんとしたFX教室に行けば、あっさり手に入るものです。

つまり、効果のある手法は、それほど珍しいものではないのです。ごく短期間で巨万の富を築けるような手法はそうそうないでしょう。ただ、きちんと運用すれば、長期的にお金が増える可能性が高い手法は、そこまで天然記念物ではありません。

その一つの根拠として、プロが使っている手法って、けっこうな割合で、シンプルかつ一般的なインジケーターだけで成り立っているんですよね。秘密の攻略法的な匂いがあまりしないことが多いのです。

どれだけ良い手法でもそのままではまず使えない

あと、ちゃんとした手法を人から教えてもらったり、本で学んだりしても、結局は自分なりにアジャストしないと、使いものにならないことが多いです。

トレードというものは、とてつもなく属人的です。これは、裁量トレードでも、自動売買でもそんなに差がありません。運用しているトレーダー本人の、性格、体力、資産状況、家庭環境などが、割とストレートに影響します。ですので、その人のポリシーとかけ離れたものは、どれだけ良いやり方であっても、長く使い続けることができません。手法とトレーダーにも、相性があるのです。

この問題を解決するためには、使用する本人に手法をマッチさせるフェーズがどうしても必要になります。マッチさせるとは、手法の手順や条件自体を微調整して、より本人の好みに合わせることもあれば、やり方は同じでも何度も検証して身体になじませながら、検証結果によって手法自体への自信を深めるパターンもあるでしょう。

というわけで「手法なんて何でも良い」という言葉の裏側を自分なりに考えてみました。要は、ルールを守って、長く運用しよう、ってことですね。勝てないのは、手法のせいでないことも多いです。

※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。

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鹿内武蔵(しかうちむさし)

株式会社tcl代表取締役。2008年のFX攻略.com創刊時から編集部に在籍、本誌と公式サイトの運営に携わる。取材や記事執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も日々行っている。好きなテクニカルは平均足、好きな手法はブレイクアウト。

公式サイト:株式会社tcl