穀物相場の代表選手といえば、コーンです。その中でも、米国産コーンは、4年連続の豊作を記録し、シカゴの先物市場では、安値低迷が続いています。2017年の米国の天候は、夏場に高温乾燥に見舞われるなど、コーンにとっては悪条件でした。今回は、それでも豊作を記録した米国産コーンの現状をみていきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
供給過剰
まず簡単にコーンの世界需給をみていきましょう。コーンは、広く世界中で生産されています。米農務省(USDA)が昨年12月に発表した資料によると、2016−17年度の世界全体の生産量は10億7555万トンでした。このうち米国は全体の約35.8%となる3億8478万トンを生産し、世界最大の生産国です。米国に次ぐ生産国・地域は中国の2億1955万トン(約20.4%)、3位はブラジルの9850万トン(約9.1%)でした。
一方、2016−17年度の消費は全世界で10億6312万トンでした。最大の消費国は米国で3億1381万トン(シェア29.5%)、次いで中国の2億3200万トン(同21.8%)、EUの7370万トン(同6.9%)でした。
全世界の生産量から消費量を引くと、1243万トンの供給過剰となります。期初在庫が2億1491トンあったので、2016−17年度の期末在庫は2億2734万トンになります。
300セント台の展開
シカゴコーンのチャート(チャート㈰)をみると、4年連続の豊作を映し、価格は300セント台に低迷しています。長期的にみれば、2007年に底値が200セントから300セント台に上昇して以降、同水準をしっかり割り込む場面はありません。300セント接近が、いまのところ良い買い場にはなっています。供給過剰でも、300セントを割り込まない背景には、値ごろ感と、世界第2位の生産国である中国が、純輸入国になっていることもあるでしょう。
米国産コーンの現状
世界最大の生産国であり消費国でもあり、そしてプライスリーダーである米国産コーンについてみていきましょう。なお、米国では、コーンを計る単位にブッシェル(bu)を使います。コーンの場合、1bu=約25.4キログラムです。ここでは、ブッシェルを使って話を進めさせていただきます。
米国産コーンの生産量は、一貫して増加傾向にあります(表㈰参照)。2011−12年度は 1930 年代以降では、最悪といわれる大干ばつの影響で107 億5511 万buの生産高に落ち込みましたが、その後は、順調に生産量が増加しています。
2016−17年度の生産高は、145億7750万buと前年の151億4804万buから減少しました。ただ、過去の水準と照らし合わせていえば、史上最高だった前年に次ぐ、過去2番目の大豊作となっています。
2016−17年度の生産状況を振り返ってみると、作付けが開始された当初、主産地の中西部は雨がちな天候で、作付けは前年と比べると一時かなり遅れている時期がありました。作付け期の終盤には遅れを大きく取り戻しましたが、夏場の最も重要な生育期に差し掛かると、今度は米中西部の西の方を中心に高温乾燥の天気に見舞われ、作柄が悪化し、前年と比べても、かなり悪い作柄になりました。手短にいえば、今年の米国の主産地の天気は、コーンの生産にとって良くなかったということになります。
GMOコーンの影響
それにもかかわらず、単収は前年から増加し、2年連続で過去最高を更新したことは、驚きに値します。2016−17年度の生産は前年から減少していますが、これはコーン農家が価格低下を受けて、作付面積を前年から減少したことによるものです。仮に今年の作付面積が前年から変わらなかったとすれば、生産高も過去最高を更新することになります。
2017年のような天気であれば、以前なら単収は低下したはずです。しかし、先ほどいった通り、実際には過去最高の単収を記録しています。このように生産には悪条件の天候でも、単収が落ち込まないのは、遺伝子組み換え(GMO)によるところが大きいと思われます。現在、米国産コーンの約9割がGMOといわれています。2017−18年度は、さらに作付面積が減少する見込みですが、一段の荒天などや新種の病害虫の被害がなければ、価格は安定する可能性が高そうです。
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
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