ミラートレーダーの「Tスコア」をどう活用するか[中里エリカ]

 選択型自動売買の「ミラートレーダー」には、Tradency社が自社の提供するストラテジーの成績を一定のルールにのっとって評価した「T-Score(Tスコア)」という値が示されている。自動売買の初心者はたくさんあるストラテジーの中からどれを選んだら良いか悩むことが多いが、ミラートレーダーでは初心者でもストラテジーを選びやすいようにさまざまな工夫がされていて、Tスコアもそのうちの一つといえる。

Tスコア

 Tスコアの一番高い数値は10で、一般には8以上が望ましいとされているが、あくまでもその時点までの取引成果などに基づくもので、将来の利益を保証するものではない点には注意が必要だ。Tスコアは以下の比率・要素に基づいて計算されている。

35%:ストラテジー運用開始から直近までの損益を最大ドローダウンで割った値

35%:ストラテジー運用開始から直近までの平均利益を平均損失で割った値

20%:ストラテジーが現在のマーケットに適しているかどうかを示す値(ストラテジーの直近の決済に対して計算される)

10%:過去30日間にどの程度取引が活発に行われたかを示す値(活発なほど高い値になる)

 ストラテジーが複数の通貨ペアで取引できる場合は、それぞれの通貨ペアでの結果に基づいて判断される。成果は直近までのパフォーマンスに基づいて判断されるため、相場の動向によっては9だったTスコアがその後6に下がり、しばらくしてまた8に上がるといったこともあり得る。それを踏まえると、やや長い目で見て安定して値が高いストラテジーは、相対的に利益を生み出しやすいといえるだろう。

 Tスコアは、ミラートレーダーに搭載されてから50回以上取引を行ったストラテジーを対象とするため、搭載されたばかりのものには表示されないことがある。また、値が表示されていても取引回数が少ない場合には、そのストラテジーが正しく評価される機会が少なく、実力よりも低い値となっている可能性もある。

 どの自動売買ツールにもいえることだが、自分の取引スタイルを固めなければ、ストラテジーやプログラムを選ぶことは難しい。「裁量取引がうまくいかないから自動売買を」という方もいると思うが、何をするにしても「楽して利益を得る」ことは簡単ではない。

 ミラートレーダーの場合も、「あてずっぽう」でストラテジーを選び、たまたま利益が出たとしても長続きはしない。自動売買を始める方は、まず「ドローダウン」といった用語を理解し、Tスコアを参考にしながら自分に合ったストラテジーを選んでみよう。

※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

※当コラムは執筆者の個人的見解に基づいて書かれたものであり、所属先の考えを反映するものではございません。

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中里エリカ(なかざとえりか)

セントラル短資FXカスタマー部広報担当。大学卒業後、カナダ系銀行やスイス系為替ブローカーで外国為替およびデリバティブのインターバンクでのディーリング業務に従事。勤務していた会社が子会社としてFX会社を設立したのをきっかけに、以来FX取引に携わっている。大手証券会社や外資系証券、外資系FX会社などを経て現職。

公式サイト:セントラル短資FX

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/ctfxmovie

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