バイナリーだけではないオプション取引
ほとんどの国内FX業者はバイナリーオプションしか取り扱っていませんが、実はFXオプション取引にはさまざまなタイプがそろっています。それぞれの特徴を生かして上手く使い分ければ、あらゆる相場展開に対応したトレードが可能です。
では、そもそもオプション取引とはどういったものなのでしょうか? 先物取引やスワップ取引などと共に、デリバティブ(金融派生商品)として位置づけられ、最先端の金融取引です。具体的には、特定の「原資産」を特定の期日までに、特定の価格で買う(もしくは売る)という権利を、投資家同士が取引する仕組みになっています。
FXオプション取引の場合、「原資産」となるのは通貨ペアです。そして、特定の期日を「権利行使日」、特定の価格を「権利行使価格」、「買う権利」をコール、「売る権利」をプットと呼んでいます。
取引の選択肢は、
① コールの買い
② コールの売り
③ プットの買い
④ プットの売り
の四つとなります。相場が上昇すると予想したら、①の「買う権利」の買いか、④の「売る権利」の売りを選ぶことになります。逆に下落するとにらんだら②の「買う権利」の売り、もしくは③の「売る権利」の買いが有効となってきます。ただし、詳しくは後述しますが、コールとプットのいずれも売りには思わぬ落とし穴が潜んでいます。
その話はいったん脇に置いておき、オプションの取引方法について説明しましょう。オプションの価格は「プレミアム」と呼ばれ、コールとプットのいずれも権利を買った投資家がその金額分を支払います。そして、権利を売った投資家はその金額分を受け取れます。
コールやプットを買った投資家は、「権利行使日」に「原資産」のレートが「権利行使価格」に達していた場合に、権利を行使できます。これに対し、コールやプットを売った投資家は、「原資産」のレートが「権利行使日」に「権利行使価格」まで達していると、否応なく買い手の権利行使に応じなければなりません。
どうなると損益になるのか?
こうしたルールになっていることを踏まえた上で、四つの選択肢ではそれぞれどのような状況で損益が発生するのかを見てみましょう。まず、①コールの買いでは「プレミアム」分の金額を支払いますが、為替相場が想定外の展開となっても、その負担以上に損失が拡大することはありません。
「権利行使日」に「原資産価格=権利行使価格+プレミアム」なら損益ゼロで、それ以上に「原資産価格」が上昇していれば、その度合いに応じて利益が拡大します。つまり、損失が「プレミアム」分に限定されるのに対し、追求できる利益は無限大だということです。
対照的に②コールの売りは「プレミアム」が得られる反面、「原資産価格」が「権利行使価格+プレミアム」を上回ると損益がマイナスとなり、上昇幅の拡大に伴って損失が膨らみます。「プレミアム」以上の利益は期待できない上、発生し得る損失は無限大です。
③プットの買いはコールの買いと同じく、「プレミアム」を支払うことになります。もっとも、意に反して「原資産価格」がどれだけ上昇しても、損失は「プレミアム」分に限定されます。しかも、「原資産価格」が「権利行使価格」を下回れば下回るほど、権利行使で得られる利益は拡大します。
残る④プットの売りについては、コールの売りと同様のことがいえます。読みが的中して相場が下落しても、得られるのは最初に受け取った「プレミアム」分のみです。ところが、「権利行使日」に「原資産価格」が「権利行使価格+プレミアム」を割り込んでいると、その下落幅に応じて損失が膨らんでしまいます。
つまり、コール、プットとも、売りには慎重な判断が求められるということです。加えて、「プレミアム」の変動にも注意が必要でしょう。「プレミアム」は、「本質的価値+時間的価値」で成り立っています。「本質的価値」とは、「原資産」の時価と「権利行使価格」との差額のことです。
「権利行使価格」と「原資産」が同水準であれば、このオプションの「本質的価値」はゼロとなります。なぜなら、権利を行使しても、利益が得られないからです。
一方、「権利行使日」に向けた値上がり・値下がりに対する期待値を示すのが「時間的価値」です。期待の高さや「権利行使日」までの残存期間に応じて、その価値は変動していきます。「権利行使価格」に届く確率が高まれば「時間的価値」は上昇し、逆にその可能性が遠のけば低下します。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
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