FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年3月16日号
先週のドル円相場は
新型コロナウイルスの感染が欧米に広がる中、週明けは世界同時株安とドル売り・円買いが加速。日経平均が2万円台を割れ、NY市場で米株の取引を一時中止するサーキットブレーカーが発動される事態となると、ドル円は一時101.19円まで下落。2016年11月以来の安値をつけた。しかしトランプ大統領が大型の経済対策を発表すると報じられたことをきっかけに下げ止まると、短期筋のショートカバーで106円近くへ反発。株式市場が激しく乱高下する中、しばらく103~105円台でもみ合ったが、金曜日にはトランプ大統領が非常事態を正式に宣言したうえで、備蓄のための石油の大量購入や学生ローンの金利免除などを発表したことが好感され、ダウが+1985ドルと史上最大の上げ幅を記録、ドル円も一時108.50円まで急騰した。
株価と連動しなくなったドル円
NYダウは瞬間では20400ドル台まで下落し、先月つけた史上最高値29594ドルから31%もの下落となった。恐怖指数VIXは75ポイントを超え、リーマンショック以来の高値をつけた。間違いなく金融史に残る、まさに暗黒の一週間であった。メディアは一斉に「弱気相場入り」と書き立てた。
しかし過去2週間のNYダウとドル円のチャートを重ねてみると下のようになる。
NYダウ(右目盛り)とドル円(赤線・左目盛) 出所:NetDania
3月9日までは両者はほぼ連動して動いていたが、10日にはドル円が先に底を入れ、12日以降はダウが急落する中でもドル円は逆行して大きく上昇していることがわかる。これはどういうことなのか。考えられる理由は三つある。
一掃された円ショート
一つはドルロングが投げ売り尽くされ、もはや売るべきポジションがなくなったということだ。IMM通貨先物の取り組みを見ると、投機筋のポジションは先々週まで半年あまりにわたってドルロング・円ショートに傾いていたが、3月10日の時点で若干ながらドルショート・円ロングにひっくり返った。わずか一週間で108円から101円まで7円も急落したのだから無理もない。強制的にロスカットされ売るものがなくなれば、自律反転するのもうなずける。
IMM通貨先物の投機的ポジション 出所:CME、Quick Money World
有事のドル買い
二つ目は有事のドル買いだ。新型コロナウイルスの感染は欧米に飛び火し、いよいよパンデミックの様相を示し始めた。欧州ではイタリアの1万5千人を筆頭に主要国の感染者数が数千人にのぼり、米国でも感染者が千人を超えた。欧米市場にとっても事態は「対岸の火事」ではなく、もはや「有事」だ。このような状況で最も信頼できる通貨は何か。株価が下落して市場がざわつく程度であれば、「リスク回避の円買いあるいはスイスフラン買い」が定石だが、世界的な金融・決済システム崩壊の危機となると話は別だ。このような時に最も頼りになるのは、国際基軸通貨であり決済手段であるドルである。いざというときに備えてドルを潤沢に用意しておかねばならないため、ドルの需給がひっ迫し、ドル金利は上昇し、ドル資金を調達できない者は為替市場でドルを買うことになる。
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東京オリンピックは開催できるのか?
三つ目は日本経済の危うさだ。イベントが中止、インバウンド需要が消失、人々の移動が制限され、経済活動は著しく縮小する。5月までに特効薬やワクチンが開発されない限り、オリンピックの開催も危うくなるだろう。今後日本が受ける打撃はおそらく世界でも群を抜き、円をロングしているリスクが意識され始める。
いずれにしてもドル買い
感染がさらに拡大・長期化し、世界的に経済や金融システムが深刻な打撃を受けるならば、買うべき通貨はドル一択となる。逆に、株式市場が次第に落ち着き、リスク許容度が回復してくれれば、円を売り戻す動きが広がるだろう。今後どちらがメインシナリオになるかわからないが、いずれのケースでも最終的にはドル円は上昇する可能性が高い。先週はめったにないドルのバーゲンセールだったかもしれない。
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