FXで利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
基本パターン+αを習得する必要がある
皆さん、こんにちは。前回は中間波動におけるパターンとして「フラッグ」を紹介しました。フラッグとは「旗」の形をしていて、「上昇フラッグ」と「下降フラッグ」があり、それぞれの旗の形が破綻するところが狙い目であることをお伝えしました。
中間波動におけるパターンはいくつかありますが、フラッグはそのうちの一つで、基本的にはそのパターンの形を覚えれば皆さんもある程度はすぐに使えるようになります。ただ、形だけや売買シグナルだけを覚えれば良いというものではありません。今週はその部分を深く解説していきますので、楽しみにしておいてください。
相場における大事なこと
利益が出て喜んで決済したものの、その後さらに相場が大きく上昇し途中からは指をくわえて見ているだけだった…といった経験をされたことはありませんか。なぜそうなるかというと、トレンド相場とトレンド転換の見極めが甘かったからです。
ではなぜ、見極めが甘かったのでしょう。それは、まず中間波動を理解していなかったからです。次に、相場に出てくるのはいつも応用問題で、基本問題が少ないからです。もう少し具体的にお話しします。相場は奥が深く、売買シグナルを覚えれば良いとか、パターンの形だけを覚えれば良いといったものではありません。相場で安定的に勝てるようになるには、理解しなければいけない大事なことがあります。それは、なぜそういったパターンになるのか、または、そのパターンが破綻したらなぜ売買シグナルが発生するのかといったところを理解することです。
先ほど記載したように、相場は応用問題の連続です。パターンだけを覚えても対応できません。チャートは似た形状がよく出てきますが、それはあくまでもパターンという基本と、その理屈を理解しているからこそ、若干形状が違っても対応できるのです。教科書に載っているような、きれいなフラッグのパターンばかりが出てくるわけではないのです。では、そのメカニズムを解説していきましょう。
なぜフラッグが起きるのか?
トレンド相場において、なぜフラッグが起きるのか。それは、投資家心理に基づいた行動が要因となっています。どういうことかというと、強いトレンドが発生していても、ずっと一方通行となるのではなく必ず調整局面が訪れます。この調整局面を作り出しているのが、短期目線の投資家の利益確定による決済注文です。利益確定が早いということは、一定の利幅が出たら手仕舞いをしますので、それがトレンドの重しとなって調整局面が生まれるのです。
上昇相場を例に見てみましょう(チャート①)。調整局面が始まると、トレンドが止まったことで決済注文や新規の売り注文が断続的に出やすくなります。これがトレンドに対しては重しとなってきます。しかし、ここで安い価格が出てきたと考える投資家は、新規の買い注文でトレンドに乗ろうとしてきます。この買いの動きがトレンドを支える力となって、決済注文によるトレンドを押さえる動きとぶつかり合い、もち合い相場が生まれるのです。
さらに、フラッグの場合は形の通り旗ですので、売り注文の方がやや優勢になっています。ですから、上昇フラッグのときには右肩下がりの動きになります。つまり、フラッグの角度を見れば利益確定の注文の強さ、弱さが分かるのです。
しかし、トレンドが転換するような決定的な動きまでにはなりません。その理由は、トレンドを支える新規注文が出ているからです。ここからどうなっていくのかといった心理により取引量(出来高)は少なくなりますので、ローソク足の動きに派手さがなくなっていきます。けれども、買いも売りもどんどんポジション自体は積み上がっていき、この積み上がっていったポジションが、やがてもち合いから抜けるときに損切りの決済注文として相場を動かす力となります。そのため、もち合い相場が終わると再び強い動きが出やすいというわけです。
たまったポジションが多いほど、相場を動かす力は大きくなります。したがって、もち合い相場が長く続いたときは、もち合いを抜けたときの動きも大きくなる傾向があります。
トレンド相場をしっかりと取ろう
中間波動を攻略すると、トレンド継続の一時的な調整を見極めることができるようになりますので、大きなトレンド相場をしっかりと狙えます。そのためにも、中間波動の形だけでなくパターンができるメカニズムや理由も理解しておきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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