利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
ペナントから派生した三つのトライアングル
皆さん、こんにちは。前回は「ペナント」について解説しました。トライアングルの形をしたペナントを理解することで中間波動の基本系を学ぶことができます。価格が線を引いたように一直線で動くのであれば誰もが簡単にトレードできますが、残念ながら相場は複雑な動きの連続でトレンドを形成します。この複雑で難解な動きを一つ一つ丁寧にひも解くことでトレンド相場をしっかりと狙うことができるようになります。トレンド相場を狙うには中間波動を理解することが重要であり、中間波動を極めることでトレンド相場をしっかりと狙うことができるようになるのです。
今回はペナントから派生したトライアングルを三つ学んでいきましょう(図①)。毎回お伝えしていますが、チャートのパターンや形状を覚えるだけではいけません。その形状が示唆する意味を理解することが大事であり、それにより応用が利くようになるのです。それぞれのチャートの違いを確認して、なぜそうなるのかを理解するようにしましょう。
シンメトリカルトライアングル
高値と高値を結んだ線(上値抵抗線)が切り下がり、安値と安値を結んだ線(下値支持線)が切り上がり、角度が対称的になっているトライアングルを「シンメトリカルトライアングル」といいます。シンメトリカルとは、左右対称や釣り合っているという意味です。トライアングルの基本は5波動となります。5波動というと難しく感じるかもしれませんが、トライアングルの中で上げ下げの動きが5回あると思ってください。違ういい方をすれば、上値抵抗線と下値支持線でリバース(反転)するポイントが通常は六つ(もしくは四つ)あるということです。そこから、上値抵抗線と下値支持線が交差するまでに上下どちらかに抜けていきます。上昇トレンドの後のシンメトリカルトライアングルはやや上に抜けやすく、下降トレンドの後はやや下に抜けやすい傾向があります。例えば、上昇:下降の割合が通常で50:50とするならば55:45から60:40くらいの差ですので、ややその傾向があるといったところです。
アセンディングトライアングル
一般的に強気(上昇)のトライアングルといわれています。このトライアングルは55:45から60:40くらいでやや買い方に有利な傾向があると思ってください。チャートの形状が対称的ではなく、上値抵抗線が一定で水平線に近く、下値支持線が右肩上がりの形状になります。なぜそうなるかというと、売り方は高値のところで抵抗を示すものの、買い方の勢いが徐々に強くなり、下値が切り上がって最後には上値抵抗線を上に抜ける動きとなるからです。買い方と売り方の攻防で徐々に買い方が攻めている動きを表しています。
ディセンディングトライアングル
こちらは弱気(下降)のトライアングルといわれています。アセンディングトライアングルとは反対に、やや売り方が有利になりやすい傾向があると思ってください。下値支持線が一定で水平線に近く、上値抵抗線が右肩下がりの形状になります。こちらは買い方が下値のところで支持するものの、売り方の勢いの方が徐々に強くなり、上値が切り下がってきて最後は下値支持線を下に抜ける動きとなるからです。ここでは買い方と売り方の攻防で売り方が攻めている動きがうかがえます。
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メカニズムを理解する
このようにチャートの形状が出来上がるメカニズムを理解することで、単にパターンを覚えるだけの投資家とはチャートの読解力において雲泥の差がつきます。なぜなら、価格形成が買い方と売り方の激しい攻防による戦いの軌跡であることを認識していますので、パターン通りの動きにならなくても対応できるようになるからです。また、先ほど挙げた60:40という数字からしても、4割は思惑通りに動かないことを理解できているからです。ここを何度も読み返した上で、チャートを確認し買い方と売り方の戦いの軌跡をたどっていきましょう。
そして、トライアングルは2本の線が交差するまでに上下どちらかに抜けていきます。そうすると、膠着していた相場が動き出しますのでトレンド相場に移行しやすくなります(チャート①)。ここを狙うことでトレンド相場の初動を見極めることができるようになります。それによりトレードの幅が一気に広がります。一歩一歩着実に前進し、安定的に勝てる投資家を目指しましょう。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
※この記事は、FX攻略.com2020年3月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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