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淳一FXのスキャルピング教室|第9回 スキャルピングスタイルの構築と手法①

淳一のスキャルピング教室|第9回 スキャルピングスタイルの構築と手法①[淳一FX]

 第8回では、FXで最も重要だといわれる「メンタル」について、トレードに影響する意味や自分自身の問題点をピックアップし改善する方法などを解説しました。今回からは、スキャルピングスタイルの構築、手法の作り方や考え方などをご紹介していきたいと思います。

スキャルピングとは

 スキャルピング(scalp-ing)には、「頭の皮を剥ぐ」という意味があります。FXで言い換えると「薄い皮を剥ぐように相場から小さな利幅を取る」ということになります。FXスキャルピングの定義は人によりさまざまですが、私にとってはあくまでもデイトレードの中の一つの手法であり、優位性が極端に高まった場所でのエントリーに特化し、かつ優位性が高い状態でイグジットする「優位性を最重要視したトレード」と考えております。

 また、私のスキャルピングにポジション保有時間の概念はないに等しく、よくいわれる「短時間のトレード=スキャル」とは定義しておりません。トレード時間が1秒に満たない場合もあれば、優位性が保たれている限り数十分間ポジションを保有している場合もあります。

 一般的なデイトレードでもテクニカルなどを用い、優位性の高まりを判断してエントリーやイグジットしますが、私が定義するスキャルピングでは、たとえ短期トレンドに反していても(もちろん順張り方向にも)、またはほんのわずかであっても非常に高い確率(優位性)で利幅が狙えるといった場所を予見し、動意付くタイミングを待ち、状況に合わせてロットを調整しながらエントリーとイグジットを行います。

スキャルピングで狙うポイント

 スキャルピングは「優位性」が要であり、全てです! FXを始めて間もない方でも「ここを越えたら走りそうだな」「やっぱり走った!」など、説明はできなくても感覚的にそう感じたという経験をされた方は少なくないと思います。

 相場が動意付く理由は、経済指標や要人発言、地政学リスクなど多種多様に存在しますが、これらファンダメンタルズ的動意の中にさらにテクニカル的な偏りによる動意が存在します。その偏りの理由の一つが相場参加者の心理です。相場に心理が影響する以上、必ず偏りが生じてしまうのです。

 偏りとは、ポジションや注文が集まっている場所であり、それは同時に決済や新規建てにより動意に弾みがつくであろう値を意味します。私たちスキャルパーはこの前提を利用し、優位性が高まる状況や場所を予見、具体化することでトレードを行います。

優位性を見極める方法

 優位性が高まる場所(偏った場所)は、オプションやオーダー情報など直接的な方法の他に、テクニカル指標やチャート分析から求めることが可能です。テクニカル指標は、過去と現在の値から大きな意味での偏りを数値化するものや、心理的な反転を示唆するものなど数多く存在し、メジャーなものは各FX会社のチャートに採用されています。

 ただし、テクニカル指標を単体で使用するのはリスクが伴いますので、フィルターとして別の指標や指数を組み合わせて使うことが大切です。さらに、異なった時間軸でのチャート分析(マルチタイムフレーム分析)にてローソク足の形状や形成方法を加味すると、より小さな範囲で具体的なポイント(値)を求めることが可能となります。

テクニカル指標は自分が合うと感じたものを使えばOK

 使っているテクニカルで、特にハッキリとしたエントリーとイグジットサインが点灯するものは何?とよく聞かれることがありますが、残念ながらそのようなものは存在しません。正確には「サインが出るものはたくさんありますが、永久的には使えません!」。

 EAなどのシステムトレードで説明すると、たとえ現状で勝ち続けているロジックであっても調整せず長期間回し続けていると間違いなく成績は落ちていきます。相場の変化に応じて調整したり、リスク回避のために非稼働にしたりと、少なからず手を加えなければいけません。刻々と変化する為替市場では、それが必要不可欠なのです。

 これはスキャルピングを含めた裁量トレードでも同じで、トレードを続けていく上で最も重要なのは調整や執行の適切な判断です。手法で最も大切だと思われがちなテクニカル指標やパラメーターなどは、単なるトレードツールにすぎません。

 トレンド系、オシレーター系、その他テクニカル指標はパラメーターの調整次第で無限に存在しますが、個人的にお勧めしているのは、試してみて「しっくりくる」「分かりやすい」「自分に合っている」と感じるものです。複雑なものでもシンプルなものでも何でも構いません。取引通貨や時間軸、生活スタイルなどに合わせて調整し、フィルターを施してルール化さえすれば、それが自分に最適な指標となります。ポイントは「自分に合った(好きな)もので調整を続けること」です!

 次回は「スキャルピングスタイルの構築と手法②(仮定)」と題しまして、引き続きスキャルピングスタイルの構築、手法の作り方や考え方などをご紹介していきたいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2019年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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