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FX力を鍛える有名人コラム

TANSTAAFL(タンスターフル)[森晃]

 年初めから、学会のためサンディエゴに出かけた。とても気候が良く、すがすがしくて爽やかなので、カリフォルニアは大好きである。たくさんのヨットが停泊しているのを眺め、太平洋に思いをはせるのも一考である(画像①)。

 さて、読者の皆さまは「ノー・フリーランチ定理」をご存じであろうか。おそらく、この言葉を一度は耳にしたことがあるであろう。まず、この言葉の由来を簡単に説明しよう。昔、米国のある酒場で「飲みに来たら、昼食は無料で振る舞う」という宣伝が行われ、その宣伝を見た客は昼食が無料なのは良いということで足しげく通った。しかしながら、実際は昼食代が酒代に上乗せされており、客は何も知らずに昼食代を支払っていたという話である。「無料の昼食などない(There Ain’t No Such Thing As A Free Lunch)」の頭文字を取って、“TANSTAAFL”(タンスターフル)という略語として米国では知られている。

 この「そんなうまい話はない」という格言は、1966年にロバート・A・ハインラインのSF小説『月は無慈悲な夜の女王(The Moon is a Harsh Mistress)』の中で取り上げられてから、世間で広く知られるようになり、投資家やビジネスマンはこの格言を好んで使う。

インフレファイター

 米連邦準備制度理事会(FRB)の歴代議長の一人であるポール・ボルカー氏が、2019年12月に92歳で他界した。FRB議長としてのボルカー氏は、狂乱物価(インフレーション)との闘いで知られている。そして、ついた異名が「インフレファイター」である。

 1979年、ボルカー氏はインフレ退治策を発表した。これは後に「サタデー・ナイト・スペシャル」として知られるようになる。この発表はFRB金融政策の変更が、フェデラル・ファンド(FF)金利ターゲットから、マネーサプライ・ターゲットに変更され金融関係者には衝撃を与えた。

 また、ボルカー氏は1971年、ニクソンショック(ニクソン米大統領が、貿易赤字を是正するため、金とドルの交換を停止した)のときの「ドル」の政策立案者でもあった。筆者は、ボルカー氏から当時の話を何度か聞く機会があった。ニクソンショックでもプラザ合意でも、一番心配していたことは基軸通貨ドルの信頼であった(図①)。

ドル円チャート

人口動態とインフレ率

 ここで出生率の低下および高齢化による生産年齢人口の減少は、将来のインフレ率にどのような影響を及ぼすか考えてみたい。

 ローレンス・サマーズ教授(元米財務長官)が2014年に学術論文として「長期停滞論」を発表している。この論文では、生産年齢人口の減少により、実質中立金利が低下することでデフレ圧力がかかると主張している。人口動態が高齢化にシフトすると、経済成長するための将来への長期投資率よりも貯蓄率が上回ることで潜在成長率が低下するとしている。そして、この潜在成長率の低下は、ディスインフレーションにつながる可能性があると指摘している。

 一方で「ライフサイクル理論」は、人口の高齢化によりインフレーションが起こると主張するものである。高齢化に伴い労働力の供給が低下することで、労働者の賃金が上昇する。そのため、企業はその賃金の上昇分を商品やサービスの価格に転嫁して利益を確保する必要がある。それによって、インフレ率が上昇すると指摘している。

 ただし、ライフサイクル理論から現在の経済現象を説明することは難しいのではないかと考えている。なぜなら、ここ30年間、英国を除き先進国(米国、日本、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア)では実質単位労働コストが低下しているからである。もちろん、技術革新により経済環境は日進月歩で進化している。しかしながら、現在のところ技術進歩による経済成長率の高まりが数字としては表れていないのが事実である。もし、現在の延長線上でインフレ率を予想するのであるならば、出生率の低下および高齢化による生産年齢人口の減少が続く限り、ここしばらくインフレ率は低下するのではないかと考えている。

 このインフレ率の低下傾向は、投資をする上で何を意味するのであろうか。そのことを簡単に記述したい。インフレ率の低下により、各国のベンチマークである債券の利回りが将来も低下することが考えられる。各国の中央銀行による金利政策(金融政策)は、今と同様に債券市場に大きく影響するであろうが、債券の利回りが低下する中では、各国中央銀行による金融政策の差異が生じたとしても大きなものとはならず、金融政策の変更による為替へのインプリケーションは低下するのではないかと予想している。

※この記事は、FX攻略.com2020年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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