「スペイン風邪」の教訓、第2波に備える
新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が進んでいます。このパンデミックによる経済的な影響として、例に挙げられるのが「スペイン風邪」です。1918~1920年に世界で大流行したスペイン風邪は当時の「新型インフルエンザ」で、第2、第3の波がありました。世界人口が約20億人であった中、5000万人以上もの死者を出したともいわれています。
中国政府は4月8日、2か月半ぶりに武漢封鎖を解除していますが、解除が早すぎるとの声もあります。また、専門家たちは感染拡大の第2波が訪れる可能性があると考えています。日本では梅雨の時期にいったん落ち着く可能性があるものの、世界的な流行は収まらないかもしれません。秋以降の再流行に備えるべきでしょう。
戦時並みの厳戒態勢を敷く米国
米国は、朝鮮戦争下の1950年に成立した「国防生産法」を復活させています。このトランプ米大統領による「戦時下の態勢」である新型コロナウイルス対策は、国家安全保障に必要な製品の受注を満たすため、民間企業に増産を指示する権限を大統領に与えるものです。人工呼吸器や医療用マスク、手袋などを生産する民間企業に増産を要請することができるのです。まさに、戦争状態と認識している米国では、財政政策・金融政策も踏み込んだ内容となっています。
米国の財政政策と金融政策
財政政策では、個人への現金給付や企業への資金の支援を盛り込んだ2兆2000億ドル、日本円で230兆円を超える過去最大規模の経済対策が成立しています。トランプ米大統領は矢継ぎ早に対策を講じ、新たな経済対策として大規模な公共事業などインフラ整備を進める考えを示しており、予算規模は既に成立した対策と同じ2兆ドル程度ともいわれています(4月12日時点)。
金融政策においては、QEを再開し、4月9日には米連邦準備制度理事会(FRB)が総額2兆3000億ドル(約250兆円)規模の経済対策を発表しています。この対策が、かなり踏み込んだ内容となっています。企業や自治体を対象として、新型コロナウイルスの感染拡大による打撃を和らげるため、投資不適格と格付けされた比較的リスクの高い社債も買い上げるなど、異例ともいえる対策が打ち出されました。
金融危機は回避できたか?
FRBのパウエル議長は声明で「経済活動が制限される中で、できる限りの救済と安定をもたらすことがFRBの役割だ」と強調しています。具体的には、従業員1万人以下の企業向けに最大6000億ドルの貸付枠を設定、5000億ドルを上限に地方債を買い取り、投資適格級から投資不適格といわれる「ダブルB」に格下げされた社債にまで買い上げ対象を広げています。
図①にある「新型コロナウイルス感染拡大→景気の悪化→金融危機→景気悪化の第2波」の中で、政府と中央銀行は金融危機に陥ることを何としても回避しようとしています。今回、FRBが中小企業や州・自治体を支援するために最大2兆3000億ドルの経済対策を実施すると表明したことは、市場参加者の間で評価されており、金融危機を回避できた可能性が高いといえます。もちろん、今後発表される経済指標や企業決算が株価の下支えにどの程度なるかの動向に注目です。
前述の通り中国は武漢封鎖を解除し、イタリアは人々の移動を開始しています。経済活動をスタートしなければ、人々は生きていけないのはもちろんです。「命を守るのか」「生活を守るのか」、各国政府は非常に難しい選択を迫られています。
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第4回まとめ
- 新型コロナウイルス感染拡大の第2波に備えよ!
- FRBは投資不適格債までサポート
- 金融危機を回避できた可能性が高い!?
※この記事は、FX攻略.com2020年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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