ニュース5分に、チャート5分。トレード時間は計10分。
前回からスタートしたこの連載企画は、個人投資家として活躍中のゆったり為替さんに、あまりなじみのない月足トレードの考え方をレクチャーしてもらおうというもの。今回は、月足トレードを好んで実践する二つの理由について教えていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです
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月足トレードを好む理由①:取引チャンスが長く継続する
FXには数多くのトレード手法がありますが、その中で私が月足トレードを好む理由は二つあります。前回ご紹介した三つのメリットと合わせて考えていただくと、「実は自分が求めているトレードは月足にあった!」となるかもしれません。
比較する相手がある方が分かりやすいですから、ここではデイトレードと比べてみましょう。
デイトレードの場合
デイトレードで取引チャンスがやってきたとします。さて、いつ取引を始めましょうか。もちろん「今」です。のんびりとチャートを眺めて、通貨ペアや取引数量を発注ツールに入力して…とやっていては、あっという間に取引チャンスは逃げてしまうかもしれません。
また、取引チャンスがやってきたらすぐに取引しなければなりませんから、パソコンの前にずっと座ってチャートを眺めることになるかもしれません。あるいは、取引チャンスが近づいたらメールで知らせるシステムを利用する方法もあるでしょう。
いずれにしても、来るべき取引チャンスに備えて、心身共にスタンバイOKな状態にしておく必要があります。すなわち、実際には取引しない日であっても、精神的にかなり忙しいです。
長期トレードの場合
一方、週足から月足を使う長期トレードの場合はどうでしょうか。
週足だったら、一つの足ができるのに1週間かかります。月足だったら、1か月です。週足ならば、週末にチャートを見れば十分でしょう。月足の場合は、月末と週末が重なるとは限りません。しかし、一つの足ができるのに1か月間ありますから、週末に確認するくらいでも問題ありません。
そして、取引チャンスがやってきたとします。いつ取引しましょうか。週足だったら、多くの場合、1~2日のうちに取引を開始すればOK。月足だったら、数週間くらいの間にゆっくりと取引すれば大丈夫でしょう。
もちろん、2016年の英国国民投票のような状況では、月足トレードといえども高速の対応が必要になるかもしれません。しかし、それは極めて例外的です。毎月初めのビッグイベントである米雇用統計発表後の値動きでさえ、月足トレードの観点からは誤差とみなせます。
この考え方は、決済するときも同様です。デイトレードならば、決済すべき点で即座に決済すべきでしょう。しかし、月足ならば、時間のあるときにゆっくり決済すれば大丈夫です。
この「ゆっくり」には、分割して決済するという意味もあります。良い感じだから決済したいけれど、もっと伸びるかも…と思えば、半分だけ決済して様子を見てもOKでしょう。月足ですから、瞬発力は不要です。利食い決済するときのうれしさをゆっくりと楽しみましょう。
以上の比較から、こんな表現も可能です。デイトレードでしっかり稼ごうとする場合、自分の主人はFXです。相場の値動き次第で、自分の行動が制約されます。相場の動きに備えて、1日の多くをパソコンの前で過ごす必要があるかもしれません。
一方、月足の場合は、自分の主人は自分です。相場が「今が取引チャンスだ」と訴えても、FXを後回しにできます。自分の生活優先です。
月足トレードを好む理由②:インジケーターは不要。トレードが簡単に
そして、月足トレードの場合、インジケーターを使う必要がありません。
私は、簡単なトレード手法が好きです。補助線やインジケーターが迷路のように表示されたチャートを見ながら、「ふむ…ここは、あれだな!」と考えるのは格好良いでしょう。しかし、私はそれを好みません。簡単にトレードできる方がうれしいです。
参考例①
特に月足の場合、インジケーターを使うと不利になることがあります。すなわち、インジケーターは不要です。例として、チャート①をご覧ください。トライオートFXからの引用です。豪ドル円の月足で、移動平均線を2本追加しています。
期間が短い移動平均線(オレンジ色の線)が、期間が長い移動平均線(緑色の線)を下から上に抜けた時点で買うとしましょう。いわゆる「ゴールデンクロス」です。この場合、チャートの1で買うことになります。90円を超えたあたりです。
しかし、1の位置は、月足で4か月連続陽線になった後です。本来ならば、2あたりで買いたいところでしょう。2だったら、82円~83円くらいです。
結果として、1で買うのは正解でした。その後、さらに円安が進んだからです。しかし、そんなことがいえるのは、過去のチャートを眺めているからです。1の時点では、月足で4連続も陽線です。2で買うときと比べて、1では900銭(!)近くも円安の位置で買わなければなりません。900銭というのは、実際のトレードにおいては強烈な大きさでしょう。
さらに、移動平均線にいつも100%の信頼を置けるかと問われれば、そうではありません。この状況で、「さあどうぞ。買いパターンですから買いましょう」といわれても、それは難しい話ではないでしょうか。
つまり、月足トレードではインジケーターを使う必要性は大きくないといえるでしょう。ただし、絶対はありません。私が検証した範囲ではインジケーターは不要というだけです。トレード手法は無数にありますから、月足に適したインジケーターがあるかもしれません。
参考例②
同じチャートを使って、もう一つ確認しましょう。一番右の丸で囲った部分です。この記事を書いている時点で、このチャートが今後どのように動くか分かりません。現在はまだゴールデンクロスが出ていませんので、買いません。
しかし、月足が出来上がって翌月になった段階で、ゴールデンクロスになるかもしれません。では、ゴールデンクロスになったら「買いますか?」という話です。
チャートを見ますと、2016年6月に72円くらいを記録しています。そこから、上下動を繰り返しながら大幅に円安になってきました。この記事を書いている時点の豪ドル円は87円台です。
さあ、ゴールデンクロスになったから、「買おう!」となるでしょうか? 私には難しい話です。過去の為替レートが頭に焼き付いているからです。72円と比べて、現在の87円は15円も円安です。15円といえば1500銭です。買って長期的に持つという選択はできないと思います。
週足の場合はインジケーターが作用する場合も
ただし、週足のトレードの場合は、インジケーターが的確に作用する場合があるでしょう。私の経験で判断しますと、週足チャートはボリンジャーバンドと相性が良いように見えます。
とはいえ、私はシンプルなトレードを好みますので、インジケーターは使っていません。ローソク足と、1~2本の補助線だけです。簡単なトレードをしたい場合は、月足トレードは有力な手段となり得るでしょう。
ゆったり為替さんの月足トレードスタイル
売買スタイル
長期トレードとリピート系注文に力を入れています。週足から月足を使うトレードが中心です。
トレードのスケジュール
【午前6時〜7時ごろ】
NYクローズ後のニュースを流し読み(5分くらい)。その後チャートを確認(5分〜10分)し、スプレッドが狭くなってきたところで売買。トレードに要する時間は、1日10分〜15分くらいです。
【日中】
日中は、バックテストをしたり、経済指標の分析やFX各社のツールの研究をしたりします(時間は決めず、満足できるまで没頭)。これをトレードに含めるならば、かなり長い時間FXをしているということになります。
取引しているFX会社
用途に応じて多数。最も資金を投入しているのはセントラル短資FXで、スワップ狙いをしたり、実験的なトレードをしたりしています。
チャート分析の環境
セントラル短資FX「クイック・チャート・トレード・プラス」を使用しています。
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主にトレードする通貨ペア
20通貨ペア以上を取引対象としています。週足〜月足のトレードの場合、通貨ペアを幅広く確認しないと取引機会が少なくなるためです。
トレードスタイルのポイント
キーワードは「老後」「年金不安」。年老いて働けなくなり判断力が衰えてもなお、FXを収益源にできるか、ということに重きを置いています。
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |