トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドル円は引き続き狭いレンジから抜け出せない状況です。先週の米雇用統計を見てもわかるように圧倒的な米ファンダメンタルを背景としたドル円買いが基本スタンスとなりますが、あしもとで対中制裁関税第3弾、さらには第4弾の声もあり、積極的にドル円を買っていけるモメンタムではないようです。
一方で明日木曜日にはBOE政策金利発表、ECB政策金利発表、TCMB政策金利発表が予定されております。この英欧土の政策金利発表の中でもっとも注目度が高いのがトルコの政策金利発表になります。トルコの政策金利は各社予想がバラバラで0~750bp(17.25~24.75%)まで幅があり、とてもコンセンサスとはいえる状況ではなく、発表後はかなり荒い値動きになることが予想されるためしっかり準備をしておきたいところです。
ドル円は伸び悩む展開か
トランプ政権の内部告発が相次いでおります。ワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者がトランプ政権内部の暴露本を刊行したほか、ニューヨーク・タイムズ紙も匿名のホワイトハウス高官によるトランプ政権内部の混迷を掲載しています。11月の中間選挙まで約2カ月のタイミングで一連の内部告発は共和党には逆風となっています。また、トランプ政権は米中貿易戦争だけでなく、日本との貿易戦争も警告したことで、9月25日に予定されている日米首脳会談や米通商協議で日米貿易不均衡是正圧力が強まることも考えらます。
ドルがポジティブな状況であることに疑いはないものの、外部要因に上値を抑えられています。しかし、そろそろ方向感が出てくるかもしれないとの期待感は出始めており、上下ともにインパクトは十分なのでバランスが崩れてどちらかに抜けた場合はその方向に付いて行っても良いのだと思います。
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トルコリラは最大級のリスク管理を
明日木曜日の20:00に発表されるトルコの政策金利ですが、現段階でコンセンサスがとれておらず不透明感が非常に強まっている状態です。この状況下では銀行のスプレッドも相当広がることが予想されるほか、価格の提示が困難となる可能性もあり、最大級のリスク管理で臨む必要があるでしょう。
また、政策金利発表直後のスピード勝負ではAIには勝てないため、仮に取引をするのであっても第2波、第3波を狙った取引となりそうです。政策金利結果については、幅が広く読みづらいのですが300~500bp前後の利上げが基準と考えています。この数値から外れてくるとサプライズとなり、大きな利上げ幅(500~750bp)であれば急騰する展開です。さらにトルコ中銀が今後も利上げを実施する可能性を示唆すればマーケットの買い安心感が広がると思われます。一方で利上げ幅(0~300bp)が小さかった場合は失望売りから15円割れも視野に入ってくるでしょう。
しつこいですが、明日はかなり荒れた展開が予想されます。トルコリラ保有者はポジションを縮小してボラティリティから身を守るべきでしょう。
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