FXを長く続けている方ならご存じの通り、為替相場には勝ちやすい局面とそうでない局面があります。専業トレーダーの岡ちゃんマンさんから見た勝ちやすい相場とは、どのような状況を指すのでしょうか。今回は勝ちやすいFX相場2パターンに加え、トレンドの見つけ方も2パターン紹介していただきます。
勝ちやすいのは相場を動かす要因があるとき
私にとって勝ちやすいFX相場はトレンド相場です。例えば「英国欧州連合(EU)離脱」など、マーケットに大きなインパクトを及ぼす要因があるときが勝ちやすい相場となります。今回は、私がトレードしやすく勝ちやすい相場について、二つのパターンを紹介していきたいと思います。
①トレンドの始まりを捉える場合
トレンドがいつ発生してもいいように準備を整えておき、いざトレンドが発生したらトレードしていく方法です。このパターンはいわゆるきっかけ待ちの状態で、頻度は少ないですが、一度のトレードで大きく稼ぐことができます。
2017年のフランス大統領選挙のときがこのパターンでした。当時ユーロ圏の経済指標は強い結果が出ており、マーケットは緩和政策の終了(テーパリング)を待っている状況でした。当然、テーパリングになるとユーロ買いが進みます。
ただ、英国がEUから離脱したことで欧州各国でも離脱を掲げる政党が躍進していました。英国に続き、イタリアやフランスなどがEUから離脱するのではないかというネガティブ予想もありました。フランス大統領選挙ではEU離脱を掲げるマリーヌ・ルペン大統領候補が躍進していたことでテーパリングは進まず、ユーロ買いには至りませんでした。逆に、離脱の不安さえなくなればテーパリングに進み、大きくユーロ買いに転換するという状況でした。
大統領選の結果は、離脱を掲げるルペン候補が敗れることとなり、エマニュエル・マクロン大統領が誕生しました。その結果、ユーロは大きく買われ、ユーロドルは1800pipsもの上昇トレンドとなりました(チャート①)。トレンドの始まりを捉える場合、トレンドが転換する要因をファンダメンタルズからしっかりと見極めることが重要です。
②トレンドが発注してから追いかけていく場合
トレンドの大きさを測り、値動きの余地が残っている場合にトレードします。例えば、2018年から始まった米中貿易戦争は、「米国と中国の関税合戦」に発展し、終わりの見えない状況になりました。中国と関係の深い豪ドルに影響が出て、豪ドル売りトレンドが約2年間発生したのです(チャート②)。
米中問題が簡単に解決しないということは、豪ドル売りトレンドに余地が残っていると判断し、戻り売りトレードを繰り返して、利益を積み上げることができました。
トレンドを見極めるコツ
では、次にトレンドの見つけ方を2パターン紹介します。いち早くトレンドを見つけることができれば、それだけチャンスが増え、十分な分析・準備が可能です。
①通常の動きとの違いを探す
通常時のセオリーとは違う反応が出ていないかを探します。経済指標が良い結果だったにもかかわらず価格が上昇しなかったり、普段同じような動きをする通貨ペアや株価がセオリー通りに動いていなかったりすることが、まれにあります。
具体例を挙げると、2019年8月のポンド円は売られ過ぎの状況でした。英国の「合意なき離脱」観測により、5月から8月までにポンド円は約2000pips下落。その後、経済指標で悪い結果が出ても売られませんでした(チャート③)。このようなときは「売り→買い」にトレンドが転換する前兆です。
また、普段は株価と為替が同じ動き(相関)をしているのに、相関が崩れるときがあります。例えば、通常ドル円が上がれば日経平均も上がりますが、コロナショック前はドル円が爆上げしたにもかかわらず、日経平均は無反応でした(チャート④)。これを分析すると、日経平均は既に上げのエネルギーがなく、下落する可能性が高いと容易に想像できます。
②違いを確認し、戦略を練る
前述のポンド円の例であれば、「合意なき離脱」「EUと合意し円満離脱」「再度国民投票して離脱をキャンセル」「離脱時期を再延期」という四つの選択肢が考えられました。各パターンで「マーケットはどのように反応するのか?」「それぞれの確率はどのくらいあるのか?」を考えます。まだ起こっていないことを考えるので想像力が重要になってきます。ただ、いきなり想像力が身につくわけではないので、ツイッターなどのSNSで発信している人がどのような発言・考えを持っているのかを参考にするのが良いでしょう。
「通常時の違い」を確認し、そこから戦略を組むというステップで、いち早くトレンドを見つけることができます。
私は以上のポイントを押さえてトレードしています。一方で、注目するイベントもなく、材料難で方向感のない相場は苦手なので、そう判断した場合はトレードを休みます。
※この記事は、FX攻略.com2020年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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