FXに対して、ハイリスクな金融商品というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。しかしそれには原因があり、同時にローリスクへの道も存在するのです。専業トレーダーの田向宏行さんに詳しく解説していただきましょう。
ローリスク・ハイリターンがFXの成功例
銀行預金のように誰でもお金を預けるだけで利息が付くようなものは「ローリスク・ローリターン」です。マイナス金利の現在では、従来のローリターンがほぼゼロリターンになっています。誰かに預けても駄目なので自分で少しでも増やそうと考えるのは当然です。
FXは「ハイリスク・ハイリターン」といわれます。デリバティブといわれる特殊な金融取引で専門知識が必要です。利益を得る人もいれば、損をする人もいます。しかし意外に思われるかもしれませんが、実際にFXで収益を積み上げる人はハイリスクな取引をしていません。
成功しているトレーダーに共通するのはリスクを減らし利益を得る「ローリスク・ハイリターン」のFX技術を持っていることです。
FXのリスクは何か?
一般にリスクというと「損」と思いがちです。しかし経済学的なリスクとは「結果が不確定なこと」をいいます。つまり、取引したらどれくらいの損になるかが分からない状態をリスクが高いというのです。
値ごろ感や思いつき、相場の勢いでの取引は、十分な取引戦略のない、リスクが高い取引の場合がほとんどです。大抵は損をしますが時には大きな利益を得ることもあります。まさにハイリスク・ハイリターンです。つまりFXがハイリスク・ハイリターンになるのは「何の準備もしないでFX取引をすれば」という隠れた前提があるわけです。
FX相場で勝ち残るトレーダーは、入念に準備をします。さまざまな方法であらかじめ不確定要因(リスク)を小さくします。具体的には、まず損切りを置くことで、想定損失額を事前に把握します。また自分の取引方法がどれくらいの確率でうまくいくかを知っています。取引ごとに損切りを置いて不確定な損失のリスクを消し、さらに自分の取引手法の成功確率を把握することで全体のリスクを抑える、というように多様なリスク管理でローリスク・ハイリターンを狙うのです。
FXがハイリスクになる原因
ハイリスク・ハイリターンになってしまうのは、主に三つの理由がありそうです。第一は、前述のようにFXの専門知識や技術が足りないことです。拙著ではFX初心者の誰もが陥りやすい注意点を解説していますが、目から鱗だったという感想もいただきます。それくらいFXをよく知らずに取引を始める人が多いのです。
またFX界で一番といわれる「西原宏一メルマガ」は、銀行ディーラーも購読しているプロの考え方を知られるメルマガです。内容が高度で難しいという方もいます。でも相場に初心者やベテランの区別はありません。プロのメルマガが理解できないということは、客観的に見て市場参加者として未熟だということです。
自分の成長を知るために1年間ぐらいはメルマガを購読して、自分のレベルチェックやプロの考え方を意識しつつFXに取り組むと、無謀な取引が減らせるのではないでしょうか。
第二の理由は、過大なロットです。自分を過信して大きなサイズ(数量)で取引すれば、うまくいったときに大きなリターンを得られますが、失敗すれば損失額も大きくなります。客観的に自分を見られない人ほどハイリスク・ハイリターンを狙ってしまいます。ポジションが気になって常にチェックする人、安心して寝られない人は過大な数量で取引しています。気にならないサイズまで減らすことをお勧めします。
第三は、欲の強さです。FX取引が楽しくていつでも取引したくなってしまう「ポジポジ病」といわれる人がいますが、実は欲張りなのではないでしょうか。取引したい気持ちは、無意識の儲けたい気持ちの裏返しであり、欲です。FXは恐怖と欲望の心理ですから、欲をコントロールできないと、無意識にハイリスクな取引をしてしまいます。
ローリスク・ハイリターンへの道
ローリスク・ハイリターンの取引を狙うには、まず自分の取引スタイルを把握している必要があります。どの時間軸が合っているのか、どのような場面でうまくいくのか、自分の取引の成功確率はどれくらいか。こうしたデータを持っていないと、安心して取引できません。不明要因が多ければ当然リスクは大きくなります。取引方法を頻繁に変更せず、一つの方法をじっくり使ってデータを集積してみてはいかがでしょうか。
もちろんデータの集積には時間がかかりますが、時間をかけて取引技術を高めてから資金を増やせば、結果として大きな利益を得られやすくなります。為替相場がなくなることはありません。焦る必要はないのです。急がば回れというように、目先の利益より数年先の大きな利益を目標にすると、FX技術はあなたの収入源の一つとなってくれるはずです。
※この記事は、FX攻略.com2017年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |