FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2021年3月8日号
先週のドル円相場は
米国債利回り上昇を受けたドル買い戻しの流れが続き、107円を突破すると上昇が加速。金曜日には一気に108円を突破し、米国2月の雇用統計が予想を大幅に上回ったこともあり、一時108.64円と昨年6月以来9ヶ月ぶりの高値をつけた。
前回の当コラムでは、「ドル円は米国債利回りの上昇が下落の歯止めになり、当面底堅い展開と見るのが現実的な読みだろう」と述べたが、先週の動きは予想をはるかに上回る上昇となった。
円売りとドル買いの歯車が噛み合う
米国雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+37.9万人と予想の+16.6万人を大きく上回り、12月と1月分も計3.8万人上方修正された。娯楽や観光といったパンデミックで落ち込んでいたセクターの雇用増加が貢献したと見られる。失業率も前月の6.3%から6.2%に改善した。
米国では、65歳以上の国民の約55%が1回目のワクチン接種を受けるなど、コロナ対策が進捗していることもあり、景気の先行きに楽観的な見方が強まってきた。米国株式市場は連日激しい値動きながらも31500ドル近辺と最高値圏を維持しており、10年債利回りも一時1.62%台と昨年2月以来の水準へ上昇している。
インフレ期待は高まっているものの、それ以上に実質金利が上昇している。インフレ連動債利回り(10年)は-0.67%で、1ヶ月前と比べて約40bp上昇している。これが全般のドル買い戻しにつながっており、ドルインデックスは一時昨年11月以来となる92ポイント台をつけている。
FRBは長期金利の上昇を当面静観する姿勢であり、金利上昇がいずれ株価を急落させるとの懸念は根強いが、景気が回復し、株式市場が金融相場から業績相場に移行していくとすれば、株高と適度の金利上昇が共存することは可能だ。
株高を背景としたリスクオンの円売りと、米国債利回り上昇を背景としたドル買いの2つの歯車が噛み合い、ドル円の上昇余地がこれまでの想定より広がる可能性が出てきた。
米国と日欧の格差拡大
コロナ克服期待と経済対策で米国は「高圧経済」に突入。米国株式市場は「いいとこ取り」の様相を呈しつつある。FRBは現時点で否定的だが、このまま行けば年内のテーパリング(債券購入減額)開始や来年のゼロ金利解除も現実味を帯びてくる。コロナ禍からの出口が見えない日欧とは対照的だ。
Cautiously Bullish
ドル円は先週、パンデミック後の下落幅の半値戻し(107.15円)、61.8%戻し(108.23円)を突破した。これまでドル円の上昇に懐疑的で出遅れていた向きがやむなくドル買いで参入してくれば、節目の110円を試す展開となる可能性がある。
ただしテクニカルには買われ過ぎゾーンにあり、上昇・反落の振り幅が大きくなることは覚悟しておく必要がある。乱気流で振り落とされないよう、今週はドルに対してCautiously Bullish(慎重な強気)スタンスで臨むべきだろう。
パンデミック後の61.8%戻しを突破 ただしRSIは買われ過ぎ 出所:NetDania
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