※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
米株式リスクオンモードだが、ドル安傾向
対中関係の高まりや新型コロナウイルスへの対応など、米国を取り巻く状況を考えるとドル安・円高の傾向になりそうです。米国は金利をゼロにしていることから、ドルは弱くなりやすいです。その他、背景として米連邦準備制度理事会(FRB)がゼロ金利政策を続けることや、コロナ危機による財政も日本以上に大幅に拡張している点が挙げられます。さらに、米国は経常赤字国であり、利上げを行わない限り、通貨が売られやすい構造があります。引き続き、ドル安・円高傾向には注意が必要です。
米国市場の強さの背景
ナスダック総合指数は、GAFAM(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル・マイクロソフト)といわれる大型ハイテク株の構成比が高いため、特に8月まで世界中の投資マネーを集め、最高値を更新していました。
コロナ禍で需要が拡大した、リモートワーク、リモート会議などITを使った技術革新が世界中に広がったため、成長期待がさらに高まったのです。9月以降、利益確定売りが集中し、急落しましたが、10月に入ると再度上昇しています。
この先の懸念材料としては、GAFAMによる独占を問題視し、規制導入を考えている民主党のバイデン氏が、11月3日に実施される米大統領選・議会選で優勢と見られている点です。また、バイデン氏は法人増税を明言しており、トランプ大統領が実施した法人減税を酷評していることから、バイデン氏が勝利すると法人増税が実施される可能性が高くなることが、米国株にとって警戒材料となっています。
トランプ大統領は、さらなる法人減税に意欲を示しています。この辺りの動きによって、大きく為替が動く可能性があるため、米大統領選後の動きには注目です。もっとも、どちらの候補が大統領に就任したとしても、大規模な経済対策が行われることを考慮すると、基本的には米国株は強い傾向が続く可能性が高いでしょう。
米中デカップリングも米国が一歩優勢
最後に、米中対立による、米国経済の影響を見ておきましょう。米中の対立が激化し、米中デカップリングの経済的影響が懸念されていますが、Bloomberg Economicsはデカップリングによる成長率の低下幅について試算しています。
デカップリングを「貿易やテクノロジーの流れが遮断されること」と定義し、米中デカップリングが現実のものとなれば、2030年の成長率は中国が4.5%から3.5%に、米国は1.6%から1.4%に下がると分析しています。デカップリングによる成長率の低下幅は、米国が0.2%ポイントであるのに対して中国は1.0%ポイントと、中国の悪影響が大きいと見込まれています。
また、米国側に複数の国が同調するという「コーディネートされたデカップリング」のケースについて、日本、韓国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、カナダという8か国が米国に同調して中国からデカップリングする場合には、中国の成長率は4.5%から1.6%まで低下すると試算しています。米国よりも中国の方が技術、アイデア、イノベーションを海外から導入しなければいけないことが背景にあるためです。米中デカップリングにおいて米国の方が一歩優勢だと考えられます。
世界の基軸通貨はドルです。国際金融の決済システム「SWIFT(国際銀行間通信協会)」は、米国にとって最後のとりでであり、2016年時点で、200以上の国・地域、約1万1000の金融機関がドル取引にこの決済システムを使っており、全ての送金データをニューヨークで把握できます。もし、中国がSWIFTから除外されれば、国際取引ができなくなり、除外された銀行はあっという間につぶれます。国際政治の観点からも米国は圧倒的に強いのです。
- 米大統領選後も米国株は強い傾向が続く可能性が高い
- 米中デカップリングは米国が優勢
- 中国は米国よりも技術、アイデア、イノベーションを海外から導入しなければいけない
※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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