ブラックジャックさんも同意見［鹿内武蔵］

FXとは、たくさんこなすほど上達していくもの

定着してもうずいぶん経ちますが、千円カットみたいな激安な理髪店あるじゃないですか。ああいうお店って、必ずしも安かろう、悪かろうではないみたいなんです。

カットに要する時間はだいたい10分くらいなので、とにかく回転率が良い。となると、1日にカットする人数が増えるので、それだけ技術が急激に向上するみたいなんです。面白いですよね。

似たようなケースは、医療にもあります。とはいってもこれは『ブラックジャックによろしく』という漫画が元ネタなんですが、やっぱり年間のオペ数が多い医師ほど、技術や経験が豊富であるという描写がありました。

試行数が多いほど、どんどん上手くなっていくということなんですが、実はこれFXにも同じようなことがいえます。

為替相場においてまったく同じ相場はありませんが、似たような展開なら過去にいくらでもあります。よって、チャート分析にしろ、ファンダメンタルズ研究にしろ、経験の差はかなり大きいといわれます。

特に大暴落や大暴騰のように、急激に相場が動く場面では、経験則による立ち回りが、利益に結びついたり、損失を回避できたりということにつながるとか。

つまり、いろいろな相場の展開に向き合うことが大切なんですが、その効率を上げるのが時間軸の短縮です。

様々なトレーダーさんを取材してきましたが、チャートの動きに関しては、長くても短くても値動きに関する部分は、原則的に同じ、という意見が多かったです。

そういうことなら、チャート分析やテクニカルトレードの練習をするために、1時間足、5分足というように時価軸を短縮することで、ローソク足の更新が早くなり、いろいろな事件に遭遇できるでしょう。

FXって結局技術のゲームなんだと自分は思っています。

個別株で重視される、銘柄発掘の要素はないわけではありませんが、人より情報を早く仕入れることで儲かるものでもありません。通貨ペア発掘というものもないですよね。

勝つ人は、米ドル／円やユーロ／米ドルのような、世界中の誰もがトレードをしている、人気の通貨ペアに対して、利益が出しやすいトレード技術を駆使して、トータルでお金を殖やす…これがFXのメインの勝ち方だと思います。

これから爆発的に値上がりするだろう通貨ペアを、他者に先んじて保有して放置することで、将来的な値上がりを狙うというトレードは、ないわけではありませんが、たくさんある勝ち方の1つに過ぎません。

FXでなかなか利益を出せないのなら、それはきっと技術不足か、身につけた技術を安定して実行するトレードの基礎ができていないのです。

少なくとも、秘密の情報が自分に回ってこないから勝てないわけではありません。

（FX攻略.com WEB編集長鹿内武蔵）

※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。

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