日本で唯一のFX専門誌『FX攻略.com』で130回を超える人気連載だった「これからの外国為替相場の行方」。Webでも変わらず経済アナリスト・田嶋智太郎さんに、日々動き続けている相場が今後どのように動いていくと予測しているのかを教えていただきます。
市場予想をハナから疑ってかかる勇気を持ちたい!
少し振り返ると、ドル/円は今月7日に発表された4月の米雇用統計の結果を受けて1円ほど値を下げ、12日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて1円ほど値を戻すという、ある意味で「実にわかりやすい」値動きを見せた。よって、米雇用統計の発表前に売り仕掛けたり、米CPIの発表前に買い仕掛けたりすることで、相応の成果を上げることができたという投資家は筆者以外にも多数おられよう。
思えば、米雇用統計も米CPIも事前の市場予想自体が非常に的外れなものであった。米雇用統計については、以前から「季節調整」の影響や手厚すぎる失業保険手当てなどの特殊要因によって控えめな結果となる可能性が指摘されていた。米CPIについても、もともと非常に強い結果となることが予想されていた。ことに前年比のデータに関しては、かなりのベース効果が現れることが以前から想定されていたわけで、その結果にサプライズなどなかった。
ここで重要なのは——
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