米FRBがついに10年ぶりの利上げに踏み切った。声明では「労働市場の状況は著しく改善」し、「インフレ率が中期的に2%の目標に向けて上がっていくとするだけの合理的な確信がある」として利上げを正当化する一方、今後のガイダンスとして「経済状況はFF金利の緩やかな引き上げしか正当化しない」と慎重な姿勢を示した。
今回の利上げは市場では8割以上織り込み済みであった。また利上げ実施とハト派的声明の組み合わせもおおむね市場の予想通りだった。米国10年債利回りはいったん上昇したものの、結局は利上げ前の水準へ押し戻された。実質ゼロ金利が予定通り解除されたことで、市場の関心は追加利上げのペースに移り、来年3月のFOMCで追加利上げがあるかどうかが今後の焦点となる。2年にわたって続いてきた米国の金融政策正常化をテーマとしたドル高局面もひとまず区切りを迎えたと考えている。
さて今週金曜日はいよいよクリスマス。イブの木曜日から来週月曜日のボクシングデーまでインターバンク市場はほぼ開店休業状態で、一年で最も参加者が少なくなる時期である。相場は通常あまり動かないが、もし何らかの要因で動きが出れば、板が薄いだけに通常より大きな変動につながる可能性がある。特に米国の利上げという最大のドル買い材料が出尽くした直後だけに、ドル安・円高方向の動きには要注意である。
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