9月3日(木)には6週間ぶりにECB理事会が開催され、ドラギ総裁の記者会見が実施されます。この6週間の間に、原油価格は26%下落したり、中国の人民元切り下げから端を発した世界的な株価下落など、いろいろな出来事がありました。
出展:Stockcharts.com
ECB・9月のスタッフ予想
ECBは3・6・9・12月の理事会で、マクロ経済見通しをまとめた「スタッフ予想」を発表します。この発表は、理事会後のドラギ総裁記者会見の冒頭で読み上げる声明文の中に盛り込まれています。
3日(木)に発表されるスタッフ予想では、原油安やユーロ高、中国の景気低迷そして世界的な株価の調整などが原因で、インフレ見通しを下げる可能性が指摘されており、それが先週からのユーロ安のひとつの要因として挙げられていました。
ECBの責務は「物価安定の維持」であり、その達成度を測る物差しとして設定された「インフレ・ターゲット」は「2%以下であるが、2%に限りなく近い」水準となっています。一番最新の消費者物価指数(HICP)を見ると前年比+0.2% (コア・インフレ +1%)となっていますので、まだまだ低インフレ状態であることには変化ありません。
そうなると、やはり3日のスタッフ予想ではインフレ見通しを下げることが考えられ、マーケットでは現在ECBが実施している量的緩和策(QE)の期限である「少なくとも2016年9月まで」の期間延長などに踏み切るのではないか?という見方が優勢になってきました。そして一部の人たちの間では、この期間延長や購入対象資産の拡大などの措置を総して「QE2」と呼ばれるようになってきたのです。
実効レートでは引き締め効果
果たして今月の理事会でQE2の発表に踏み切るのか、正直私にはわかりません。ここからの中国を取り巻く環境が大きく悪化するという情報を入手しているのであれば話しは別ですが、特にいますぐ急いで発表する必要があるのか、微妙なところだと思います。
ただし、一点だけQE2発表の可能性を完全に除外できないのが、ユーロ実効レートの動きであることは間違いないでしょう。
チャート:ECBホームページ
このチャートは、今年に入ってからのユーロ実効レートですが、今年の安値は88.7435です。そして最近の中国発世界株安相場でリスク・オフマーケットとなり、今までずっと売られてきたユーロを買い戻す動きがマーケットに出てきました。結果として、実効レートも95.230まで上昇。この安値から直近の高値までの動きは、政策金利に直すと実質1%の金利上げ(引き締め効果)と同じ動きになるそうです。
それもあって、尚更マーケットは追加緩和としてQE2の可能性について話しはじめているのかもしれません。
ここからのユーロ
木曜日にECBがQE2の発表をするのであれば、ユーロは落ちるでしょうが、そうでなければユーロ/ドルはしばらく、1.11台~1.13台のレンジに入っていると認識しています。
ただし問題は、最近のユーロ高は、世界主要国の株安と同時に起きている点です。ということは、主要株価がある一定のレベルを割ってしまうと、まだ我慢しているユーロ・ショートのあぶり出しが、もう一度起きる可能性が残っているかもしれません。
出展:Stockcharts.com
主要国の株価指数を週足チャートでみると、英国のFTSE100と、米国のナスダック株価指数が200SMA(移動平均線)を下抜けています。そして次の犠牲者(?)は、米ダウ・ジョーンズだと言われています。これが200週SMAを割ってしまうと、ECBから追加緩和に関して何も発表がなければ、ユーロ一段高の可能性もあるでしょう。
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