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ギリシャ支援期限4ヶ月延長[松崎美子]

1週間に3回もユーロ圏の財務相達が集まり、協議に協議を重ねたギリシャ支援期限延長問題。今回のギリシャを巡る欧州側とギリシャ側の攻防には目を見張るものがありましたが、先週金曜日には、とうとう【ギリシャ支援、4カ月延長へ】というヘッドラインが流れ、「おや!ギリシャの勝利なの?」と思わせる瞬間がありました。しかし、内容を調べるとまったく見当違いの第一印象でした。

最初に折れたのは、ギリシャ

ギリシャ問題の解決の目処がつかなくなってきた先月末くらいから、ギリシャの銀行からは、毎日3億ユーロくらいの預金引き落としがあったそうです。週にして、10億ユーロくらいですね。しかし、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)の可能性が高まるにつれ、先週金曜日には、一日で10億ユーロの預金引き出しとなってしまったようです。欧州中銀(ECB)はギリシャに対し、密かに「資本規制を敷くことを薦める」という伝言を送っていたといわれていますが、それだけはどうしても避けたいツィプラス首相は、やむを得ず、期限延長に合意するよう、ファルファキス財務相に伝えたようです。

今週が最初の山場

今回の「4カ月延長」に関しては、いくつか超えなければいけないハードルがあります。一番多いのが今週、そして、4月末となっています。

まず今週の主なイベント紹介しますと…

・2月23日(月)
夕方までに、ギリシャ政府は、4カ月の間に実行する政策措置一覧を提出。

・2月24日(火)
トロイカ(新名称:The Institutions)が提出された一覧について、最初の見解を述べる。どちらにしても、同日中にユーロ圏財務相会合電話会議が開催される予定。

・2月25日〜28日まで
トロイカと財務相会合両方で、さしあたり問題がないと認められれば、一部の加盟国の議会で、それぞれ承認手続きに入る。

・2月27日
ドイツ議会で、ギリシャ向け支援4カ月延長に対する投票が実施される予定。メルケル首相率いるCDU/CSU党は、ショイブレ財務相顔負けのハード・コアな議員が多く、果たして承認されるのか、まだまだ予断は許しません。

・2月28日
支援延長期限の最終日。

4カ月延長期限までのイベント一覧表

今月末までに上記の過程を滞りなく終了したとしても、4カ月の期限が切れる6月末までに越えなければならない数多くのハードルが残っていることには、なんら変わりありません。私の知っている限りのことを、ひとつの表にまとめてみました。ただし、事態が急変した場合、このイベント表の日付が変更したり、追加会議などが開催されることは十分にありますので、その点はご容赦お願いいたします。

ギリシャ政府が抱えた問題

文頭でも申し上げたように、今回は預金引き出しが激しく、ギリシャ発金融危機にまで発展しそうだったため、ツィプラス首相は欧州の要望をほぼ飲むかたちで、延長に漕ぎ着けた経緯があります。しかし、同じSYRIZA党の内部、またはSYRIZAと連立を組んでいる反緊縮支持政党である独立ギリシャ人党は、かなり気分を害していることと考えられます。

すでに、今回の内容に納得がいかない与党議員のなかには、離党を決意する者が出てくるともいわれており、ツィプラス首相は、欧州側を説得できたと思ったら、今度は与党内部での反対の声を押さえこまなければなりません。それに加え、今回提出した政策措置一覧表のなかには、過去の脱税者から合計70億ユーロ規模の税金を回収するという項目があるといわれていますが、脱税する人たちも巧妙な手口を使っているだけに、そう簡単に政府が目標としている税収入が期限中に得られるのか? 疑問視する声も聞こえています。

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まとめ

今回の一連のギリシャ危機を巡る動向と、ユーロの動きを見ていて感じたのは、マーケットも相当ギリシャ問題を織り込んできているな……ということでした。前触れなく突然朝起きたら、「Grexit」にでもなっていれば話しは別ですが、そうでなければ、24〜25日に控えているイエレンFRB議長の半期に一度の議会証言内容によっては、たまりに溜まったユーロのショート・カバーが噴出す可能性も残っています。そのため、直近のマーケットでは、ギリシャ問題でとくに大きなネガティブ材料が出なければ、最大 1.1550〜1.17ミドルくらいまでの戻しがあってもおかしくないというイメージを描いています。

ユーロドル週足チャート

ただし、問題は3月に入ってからですね…ECBの国債購入を含む量的緩和策(QE)がスタートするため、どうしてもユーロの頭は重くなってしまうのは避けられないでしょうから、戻ったところは売る予定。

チャート上でピンクのハイライトを入れた部分は、過去の値動きをみても、何度か揉む傾向があるようなので、よほど突発的な大事件が起きない限り、一気に大暴落や大高騰するとは考えていません。

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