トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
米雇用統計を受けてフェドウォッチの3月の利上げ確率が93%に上昇、米10年債も2.6%まで上昇しています。しかし、良好なファンダメンタルも米ドル/円の上値は重くドル高材料に反応しづらい状態になっています。FOMC、オランダ選挙、米債務上限引き上げ期限、G20といったリスクイベントを前にしっかり戦略を考えてみましょう。
米ドル/円上昇には新たな燃料が必要!FOMCでは年4回利上げを意識させられるか
今夜のAM3:00にFOMCが開催されます。FOMCでは利上げが確実となっているため利上げの有無は焦点にはなりません。今回のFOMCのポイントは年何回利上げするのかということになります。マーケットではFRBが年3回の利上げではなく、年4回利上げに踏み切るのでは?といった観測が出てきました。事実ゴールドマンサックスでも今年の利上げ予想を年3回から4回に変更しております。
直近で米ドル/円の上値の重さや、米長期金利が米利上げに対する期待感から大きく上昇していることを考えると年3回の利上げは完全に織り込まれているようで、今回のFOMCで利上げ3回のペースに変化がない場合は失望的なドル売りも想定する必要があります。
一方、年4回の利上げが意識された場合、米ドル/円は118円を目指していく展開が予想されます。FOMCメンバーによるFF金利予想のドットチャートを見ると、昨年の12月に発表されたチャートでは年3回の利上げがコンセンサスとなっておりましたが、今回のドットチャートで年4回の利上げを織り込むことができるかが焦点となります。
世界が注目のオランダ選挙、自由党躍進でリスクオフも
今夜もう一つ注目されているのがオランダの選挙です。オランダの選挙が世界の注目と金融市場の関心をこれほど集めるのは記憶にありません。オランダでは急増する移民問題などを受け、イスラム教徒排斥やEU離脱を掲げる極右の自由党が支持を伸ばしています。
しかし、オランダでは10以上の政党があり、1党が過半数を握ったことはなく、連立政権を組む必要があるため、仮に選挙で自由党が勝利し第一党になっても連立政権を組めないので影響はないのではとの声もあります。
もちろん自由党政権の参加の可能性は低いのですが、自由党が議席を伸ばせばフランス大統領選挙でも極右への影響が懸念されてリスクオフの円高になることは容易に想像できます。出口調査の結果を受けてマーケットが反応することは必至で、リスク許容度の見極めが勝負の分かれ目となります。
また、厄介なことにオランダ選挙はAM 4:00に投票が締め切りとなります。投票終了後、直ちに出口調査結果が発表されます。AM3:00 に発表されるFOMCの1時間後、イエレン議長の記者会見の30分後になります。出口調査が公表されるタイミングではFOMCの流れとバッティングする可能性もあり、乱高下した場合は中立スタンスで様子をみるのが賢明とも思えます。
そのほかリスクイベントも円高要因か
今週末には独バーデン・バーデンでG20財務大臣中央銀行総裁会議が開催されますが、アメリカが各国の為替操作に対して言及してくる可能性も否定できません。そのほか米債務上限の引き上げ期限や、悪天候で17日に変更された米独首脳会談などリスクイベントが多く、なにかと円高圧力がかかりやすい週と言えるでしょう。
今週のテクニカル
短期的には一目均衡表雲下限の114.30円がサポートになりますが、その下は心理的な節目の113円あたりまで見ておきます。上値では先週高値115.50円がとりあえずの目処ですが、こちらも年初来高値である117.50円付近までレジスタンスレベルを上げておきます。イベントを控え少し大きめのレンジで臨むつもりです。
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