トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドルキャッシュの需要高まる
新型コロナウイルスによる世界的なリセッション警戒から株価は引き続き大荒れでNYダウも連日1,000ドル以上の乱高下を繰り返しています。ただ、世界同時株安の影響からドルキャッシュの需要が高まっており、株が荒れている割にドル円は堅調です。本日もFF金利(フェデラル・ファンド)の誘導目標は2.00%付近で、現在アメリカの政策金利である0.00%から0.25%に比べ大幅に高い水準にあり、短期金融市場は依然不安定な状態で、ドル調達金利が上昇していることがわかります。
ドルロングは悪くない戦略か
世界的な株価の大暴落から取引参加者のモメンタムを考えると、とりあえずドルへの逃避という流れはもう少し続くのではないでしょうか。株価次第のマーケットに変わりはないものの、ドルロングは悪くない戦略に思えます。ただ、ドル円は既に107円台まで戻っているので、もう一段上を狙ったエントリーも悪くはありませんが、少し乗り遅れているのは事実なので106円ミドルあたりまで押し目を待って良さそうです。上値のターゲットは2月20日高値の112.22円から3月9日安値の101.18円の61.8%戻しとなる108.00円や、200日移動平均線が差し掛かる108.23円あたりを見ています。
米景気対策は不発か?
昨夜FRBは2008年のリーマンショック時に導入したコマーシャルペーパー(CP)を再び導入すると発表したほか、ムニューシン米財務長官による総額1兆ドル規模の景気対策提案、トランプ米大統領による国民に小切手を支給する計画が発表されました。しかし、発表後はこのニュースに好感して1,000ドル以上の反発を見せたNYダウも、東京時間は一転時間外で反落しています。引き続き注視しなければなりませんが、やはりコロナショックに金融政策の効果は限定的なのかもしれません。
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