エントリーのコツと決済のタイミング
いくらのときにポジションをもったらよいのか? という質問に対して、なぜズバリ〇〇円ですよ! と答えられないのか?
それは、人によって投資期間や儲けたい金額が違うからです。さらに、使用している分析方法でも異なります。Fig.1は、「ドル/円」5分足(2013年8月15日)のチャートです。
この日は、日本時間の21時30分に米国の重要指標発表が複数あり、値動きに影響しやすい材料があったために例にとりました。
21時30分~35分を示すローソク足は陽線で、これだけを見ると、さぞや指標の結果が良かったのだろう、と想像されます。
実際の結果は、8月ニューヨーク連銀製造業景況指数が悪化、7月消費者物価指数は市場予想通り、週ベースの新規失業保険申請件数は改善、と結果はまちまちでした。
こういったファンダメンタル的な要素を重視すると、チャートにみられるような急上昇に乗っかって、エントリーしようとはすぐに判断できません。「今じゃなくて、もう少し様子をみよう」、という気持ちになります。
ところが、デイトレードやスキャルピングのような短時間で、薄利を重ねる取引の場合は、このチャートを見たら、エントリーするのは「今でしょ」と判断する場合もあります。その場合、決済のタイミングは、最低10銭幅の上昇で行ってもよいと思います。
4パターンのシナリオを考えておく
私の取引の仕方は、東京市場と欧米市場にわけて、東京市場の値動きを参考に、欧米市場の上げ止まりと下げ止まり価格を予想します。そして、東京市場にエントリーしたら、同市場内に決済するように心がけています(または、欧米市場中にエントリーして決済)。
方法は、たとえば、98円を上げ止まり価格、97円を下げ止まり価格と予想した場合、98円を超えたら買い、97円を下回ったら売り、または、98円までに上げ止まったら売り、97円までに下げ止まったら買い、という4パターンのシナリオを考えておいて、そのパターンのどれかにあてはまったらエントリーします。
そして、決済のタイミングは、上げ止まりや下げ止まり予想や、同市場内での最高値や最安値を予想して、予想価格より手前で行います。
経験上、30分足チャートがしっくりいくので、日足や月足チャートも参考にしながら、30分足を重視しています。
SRIやMACD、フィボナッチ分析も参考にしながら、上げ止まりや、下げ止まり価格を予想します。Fig.2の場合、欧米市場の上げ止まり価格は、約98円15銭と予想しました。
一般的に、テクニカル分析をすると、98円13銭や17銭といった中途半端な数値が算出されますが、私は、そういった数銭を気にせず、切りのよい15銭、20銭といった数値で、ざっくりと予想しています。
なぜならば、実際に取引する場合、分析の結果、98円13銭が買いのタイミングだとしたら、98円12銭や14銭だったら、買うかどうか迷うからです。
つまり、あと1銭足りない、1銭多い、といった誤差範囲程度のことで迷ってしまい、タイミングを逃すのはもったいないと思います。
話は戻りますが、Fig.2の場合、98円15銭が上げ止まり価格と予想していますが、実際は、98円20銭ぐらいまで上昇するのを待ってからエントリーします。
一時的にピョコーンと上昇することはよくあるので、しっかりと上げ止まり予想を超えたかどうかを見極めることがコツです。
したがって、このチャートを見ると、98円20銭でエントリーすれば、約30銭の利幅をとることが可能です。
ですから、ファンダメンタル的要素を無視すれば、21時30分の重要経済指標が発表される前にエントリーすることになります。
この例の場合は、利益は得られましたが、実際は、この後、98円65銭をピークに97円まで下落していますから、ファンダメンタルを無視することは、リスクを拡大します。
そのため、私の場合は、上げ止まりや下げ止まりの価格だけでなく、ファンダメンタル的な要素と、投資家心理的要素も重視しているので、重要な経済指標発表やイベントがある場合は、あえて発表前後はエントリーを避けて様子見をすることもあります。(月刊「FX攻略.com」2013年11月号掲載)
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