FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2021年2月22日号
先週のドル円相場は
日経平均が30年半ぶりに3万円台を回復しリスクオンの円売りが強まる中、ドル円は再び上値を試す展開へ。米国の経済対策への期待やワクチン普及によるコロナ終息期待もあり、株高とともに米国10年債利回りもほぼ1年ぶりに1.3%台へ上昇。これを受けてドル円は前回高値の105.77円を突破し、上昇に弾みがつくと、一時106.22円と昨年9月以来の高値をつけた。
週後半は、株高が一服となったことから、ドル円も利益確定の売りが入り、105.24円まで反落。しかし下値を試す動きまでは見られず、105円半ばで週の取引を終えた。
前回の当コラムでは、「趨勢はリスクオンのドル安であり、戻り売りスタンスを維持したい」と述べたが、微妙な結果となった。
米国債利回りの上昇と利上げ観測
米国10年債利回りは、今月に入って上昇が加速し、昨年のパンデミック直後の戻り高値を上回ってきた。
米国10年債利回り
バイデン政権による1.9兆ドル規模の追加経済対策やワクチン普及に対する期待に加えて、コロナ禍で堆積したペントアップディマンド(先送り需要)がここにきて発現し、先週発表された1月の小売売上高は前月比+5.3%と予想の+1.1%を大幅に上回った。
2月のニューヨーク連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業景気指数など先行指標も予想を上回っている。年後半のコロナ終息を想定し、景気の上振れ期待が浮上している。
FF金利先物は、今年12月までの利上げを10%ほど織り込み始めた。下のグラフが示すように、1か月前までは年内の利上げ確率はゼロ%だった。資産買い入れの減額(テーパリング)が年内にも始まるとの見方も根強い。
FF金利先物が織り込む12月の金利予想分布 出所:CME
パウエル議長の議会証言
そこで今週注目されるのは、火曜日と水曜日に行われるパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言だ。最近の金利上昇に対してパウエルFRB議長がどのような態度を示すかに注目が集まるだろう。
1月に行われたFOMCでは、「労働市場の状況が委員会の最大雇用の評価に一致する水準に達し、インフレ率が2%に上昇して当面の間2%をやや超えるような軌道に乗るまで」利上げしないとのフォワードガイダンスが示された。
現在の失業率は6.3%、インフレ率(PCEコアデフレーター)は1.5%と、いずれもガイダンスからは程遠い。
また昨年12月時点でのFOMCメンバーの金利予想では、2023年末まで利上げなしがコンセンサスであった。
12月FOMCのドットプロットチャート
市場の金利観がFOMCの意向に反して前のめりになりつつあることは明らかだろう。これを容認すれば、さらなる金利上昇が景気回復の足かせになりかねない。
したがって、パウエルFRB議長が議会証言で、期待先行による金利上昇や利上げ観測に不快感を示すか牽制球を投げる可能性は十分ある。その場合、先週の急激な上昇の反動で金利が急低下することもあり得る。その場合、当然ドル円にも下押し圧力がかかるだろう。
ドル強気にはなれない
チャートを見ると、1月6日の安値102.59円を起点に上昇波動が始まっていたことが見て取れる一方、RSIは買われ過ぎゾーンにあり、すでにピークアウトしている可能性もうかがえる。先週の高値106.22円はパンデミック発生以来の下落幅の38.2%戻しに相当し、中間反騰の幅としても収まりがいい。
筆者はもともと106円までの上昇は想定しておらず、予想はすでに外れているが、さりとてここから強気に転じる気にもなれない。今回の米国金利の上昇とドル高が本物かどうか、今週は見極めの時間帯になりそうだ。
ドル円日足・一目均衡表とフィボナッチ・リトレースメント、RSI
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