双方を学ぶことでFXトレードの精度を上げる
FXでトレードをするためには、そのときの相場の状況を把握し、その後に何が起きるかを予測しなければなりません。
その際の分析は、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」に大別できます。
テクニカル分析とは
ほとんどチャート分析と同じ意味です。そのときのチャートの形を分類し、過去の事例や経験則、数学的アプローチを基に、そこからの動きを予測します。
ファンダメンタルズ分析とは
経済の動向から見た為替相場の予測です。経済指標が主な情報源となります。
ここで大切なのは、二つの分析は対立概念ではないということです。テクニカル派、ファンダメンタルズ派というような表現を時々見かけますが、両者を比較するのではなく、双方を組み合わせることで分析精度を上げるのが肝要です。
ただし、FX初心者の段階では、テクニカル分析を最初に学ぶのが良いでしょう。経済指標などが、相場にどういう影響を与えたかを見ていくことで、ファンダメンタルズの影響も実感することができます。
FXで結果を出すためにリスクを正しく理解する
ファンダメンタルズの中で、最も注目される経済指標が米国雇用統計。月に一度のビッグイベントです。米国の労働市場は経済状況と直結するため、雇用統計発表の数日前から相場が様子見で動かなくなるほど。
ただし、このような経済指標の瞬間にトレードすることは推奨できません。瞬間的な値動きになり、スプレッドも広がり、何よりどちらに動くかを事前予想できないからです。
FXのリスクには、
- 取引中の操作ミス
- 取引環境のトラブル
- FX会社のシステムがダウン
- FX会社が破綻
などがありますが、それぞれに対策があります(後述のポイント③参照)。
FXで資産を増やせるのは、リスクと引き替えにリターンが狙えるからです。単にリスクを恐れるのではなく、リスクの種類を把握し、冷静に対処することが大切です。
ポイント① テクニカル分析とファンダメンタルズ分析
テクニカル分析【チャートに示された過去の値動きから未来の変動を予測】
テクニカル分析とは、主にチャート分析により、その時点までの値動きをパターン化。過去のチャートから似たパターンを探し出し、これから先も同じ展開になるかどうかを判断することです。
テクニカル分析には、価格変動から計算されるトレンド系と、値動きの過熱感を判断するオシレーター系のツールが役立ちます。短期トレードの場合、テクニカル分析のみで利益を出すことも可能です。
- 軸になるのはチャート分析
- 短期トレードなら、テクニカルのみで分析が可能
- トレンド系とオシレーター系に大別される
ファンダメンタルズ分析【世界各国の政治経済の状態から通貨の力関係を予測】
ファンダメンタルズ分析とは、各国の中央銀行(銀行の銀行。日本なら日銀)や政府が公式発表する、経済指標の分析がベースになります。これらの推移から、特に長期的なトレンドを判断することができます。
ファンダメンタルズ的要素は、常に市場関係者に予想され、その結果が価格に反映されています(織り込まれていると呼ばれる)。そのため、予想を裏切る結果になると、相場は大きく動きます。
- 軸になるのは各種の経済指標
- 長期のトレードほどファンダメンタルズの重要度が上がる
- 年単位の大きなトレンドは、必ずファンダメンタルズの下地がある
ポイント② 代表的な経済指標とファンダメンタルズ要因
米国雇用統計
基本的に毎月第1金曜日の日本時間夜に発表される、米国の労働市場に関する経済指標。世界経済の中心である米国において、働きたい人がちゃんと働けているかどうかは、経済の状態と密接に関係があるため、全世界が注目します。
政策金利発表
通貨の価値をコントロールする通貨政策の核は、政策金利の上げ下げです。金利が据え置きになるのか、上がるのか、下がるのかは、その通貨の魅力に大いに関係があるため、主要国の政策金利発表は注目度が高いです。
要人発言
各国中央銀行の総裁や財務省関係者など、重要人物の発言は、為替相場を大きく動かすことが多々あります。あらかじめ予定されていた発言もあれば、予定外の発言であるケースもあります。
天災、テロ、政変
あらかじめ予想ができない出来事は、価格に一切織り込まれていないため、爆発的に相場を動かす要因になることがあります。例として、阪神大震災と東日本大震災の後に、どちらも極端な円高の相場になりました。
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ポイント③ FXのリスクと、その対策について
【リスク】取引中の操作ミス →【対策方法】デモトレードで練習!
取引の操作画面に慣れていないと、ロングとショートを逆に注文したり、取引量を一桁間違えたりといったとんでもないミスをしてしまうことも。それを防ぐには、本格的に運用を開始する前にデモトレードで練習して操作に慣れることです。
【リスク】取引環境のトラブル →【対策方法】複数の取引環境を用意
使っているパソコンが壊れたり、ネット接続が停止したり、スマートフォンを紛失したら、それ以上のトレードができなくなってしまいます。そういった場合のためにも、複数のトレードできる端末を確保しておくことは意味があります。
【リスク】FX会社のシステムがダウン →【対策方法】複数の取引口座を用意
A社のシステムが完全にダウンして操作不能になったとき、その会社で持っている通貨ペアとは逆のポジションをB社で保有することで、価格変動によるリスクを抑えられます。滅多にないことですが、複数の口座を持つことのメリットです。
【リスク】FX会社が破綻 →【対策方法】信託保全制度
現在の日本のFX会社は、顧客から預かっている証拠金を、信託先となる銀行に保管しなければいけないルールがあるため、会社が倒産しても証拠金は保全されます。さらに、複数のFX会社に資金を分割してトレードをすることで、安全度はより高まります。
【次の記事を読む】これで基本編は完了!次は実践編へ!
基本編3|FXの取引方法は[買う→売る][売る→買う]の2種類のみ
基本編4|FXの取引対象とは?円高・円安の仕組みと色々な国の通貨ペア
基本編5|FXの利益ってどれくらい?損益の計算方法【pip(s)・スプレッド】
基本編6|24時間トレードが可能なFX!3つの取引スタイルから選ぼう
基本編7|FX取引にいくら資金が必要?証拠金とレバレッジを学ぶ
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |