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欧州ファンダメンタルズ入門|第1回 欧州市場の特徴[松崎美子]

欧州ファンダメンタルズ入門|第1回 欧州市場の特徴[松崎美子]

兼業トレーダーにはうれしいロンドン市場

 このたび、英国を含む欧州のファンダメンタルズについて書くことになりました「ロンドンFX」松崎美子です。外国為替(FX)市場は、24時間眠らないと言われておりますが、アジア・欧州・米国とそれぞれ特徴があり、注目される経済指標や要人なども違います。そこで、英国在住の私から見た欧州ファンダメンタルズについて、皆さんと情報共有をさせていただければと思います。

 FXのマーケットは、東京市場が終わると欧州大陸に移り、1時間遅れでロンドン市場がスタートします。実需筋に加え、機関投資家、ヘッジファンドに代表される投機筋、M&A絡みなど、ありとあらゆる人たちが一斉に参入してくるロンドン市場は、最も取引高が大きいことが特徴です。そして、ニューヨーク市場終了時間まで、中央銀行や政府関係者などの要人発言、議会証言など、あまりアジア市場ではお目にかかれないイベントが続きます。

 取引通貨の幅は広く、ユーロやポンドを筆頭に、アジア時間には流動性が全くない北欧・中東・アフリカ・ロシア・東欧など、通貨のデパートのように選択肢が広がってくるのもロンドン市場の面白さかもしれません。

ロンドンの取引高は世界最大規模を誇る

 国際決済銀行(BIS)は3年に1度、「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」という調査を行っています。

 毎日5兆ドルを超えるFX取引のうち、各市場でどれくらい取引されるのか、その割合を調べてみました。そもそもロンドンはFX発祥の地であり、現在も世界全体の取引の約4割が行われています(図①)。次に取引通貨シェアを探ってみたのですが、想像していた通り、断トツ1位はやはり「ドル」でした。

地域別FX取引高割合

図①出典:BIS「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」(2016年4月)

世界で取引されている通貨ペアを比較!

 かなり回り道をしましたが、今回の記事で皆さんにお伝えしたいことは、ここからです。

 改めて繰り返す必要はございませんが、為替取引は株や債券と違い、一つの通貨を買う/売るだけでは取引が成立しません。「ドルが強いから買いたい!」と考えたとき、どの通貨をドルに対して売るのが最も効率良いか? 最も収益率が高まるか? それを考えなければいけません。効率が良いという意味には、流動性が高い・取引高が大きいことも含まれてくるでしょう。

 日本の個人投資家さんは、どういうわけかドル円やクロス円を中心に取引されます。果たして、世界中のトレーダーたちも、自国通貨を中心に取引しているのか? そこを調べてみましょう。今回は分かりやすいように、世界全体・ロンドン市場・東京市場に分け、それぞれの傾向を比較しました。

通貨ペア別・取引高割合【世界全体】

世界全体の取引通貨ペアの割合

図② 出典:BIS「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」(2016年4月)

 最初は、世界全体の取引通貨ペアの割合です(図②)。1位はユーロドル。2位にドル円が続き、3番目にポンドドルとなりました。念のために、日本の個人投資家さんがお好きなユーロ円の割合も載せましたが、わずか1.6%。そして、トルコリラ円や南アフリカランド円に至っては0.1%でした。

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通貨ペア別・取引高割合【ロンドン市場】

ロンドン市場での取引通貨ペアの割合

図③ データ:英国中央銀行(2019年1月公表)

 次は、私が住むロンドン市場での取引通貨ペアの割合です(図③)。これを見ると、世界のどの市場よりも、ユーロドルの取引が活発です。「英国ならポンド」という思い込みは捨てた方が良さそうですね。そして、日本人が大好きなユーロ円やポンド円に関しては、絶望的にフローがありません。「英国ならポンド円を活発に取引しているに違いない!」というわけではないようです。

通貨ペア別・取引高割合【東京市場】

東京市場の取引高割合

図④ データ:東京外国為替市場委員会(2019年1月公表)

 最後はおなじみの東京市場です(図④)。予想通り、ドル円とユーロ円で全体の約7割となりました。世界で最も取引されているユーロドルは10%以下となっており、約定レートの優位性を考えると、ロンドン時間まで待つのは得策かもしれません。

まとめ

 各市場のフローを比較して分かったことは、東京を除くマーケットでは取引高の50~55%がユーロドル・ドル円・ポンドドルであったということ。それに対し、東京市場は圧倒的にドル円とクロス円という偏ったマーケットであることが分かりました。

 つまり、円以外の大きなフローを取引したくても東京市場ではさばけない。そのため、「ありとあらゆる投資家たちは、ロンドン市場がオープンすると一斉に参入してくる」のです。各市場の特徴を理解して、取引に生かしたいですね!

※この記事は、FX攻略.com2019年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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「欧州ファンダメンタルズ入門」連載記事まとめはこちら

ABOUT ME
松崎美子
まつざき・よしこ。スイス銀行東京支店でトレーダー人生をスタート。1988年渡英、1989年よりバークレイズ銀行ロンドン本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年に同じくロンドン・シティにある米メリルリンチ投資銀行に転職。その後2000年に退職。現在はFX取引に加え、日本の個人投資家向けにブログやセミナー、YouTubeを通じて欧州直送の情報を発信。著書に『松崎美子のロンドンFX』『ずっと稼げるロンドンFX』(共に自由国民社)。2018年より「ファンダメンタルズ・カレッジ」を運営。DMMで「FXの流儀」のオンラインサロンも始めた。 スクール:ファンダメンタルズ・カレッジ オンラインサロン:FXの流儀 ~ファンダ・テクニカルを語ろう~
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