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週刊FXシナリオ|金利上昇とドル高、そして株高(10/27 7:03)[阪谷直人]

金利上昇とドル高、そして株高(10/27 7:03)

昨日も順調に想定のシナリオが進行しています。

NYダウは、前日比71ドル超高の23400ドル、米10年債利回りも、前日比0.03%上昇の2.46%、ドル円は、113.34安値から114.08までドル高、ユーロドルは、1.1837高値から1.1640までユーロ安。

昨日のポイントは

(1)「急いでタカ派になる理由なし」と判断したECB

(2)米下院が予算決議案を可決

(3)FRB議長の後任人事でイエレン議長が外れテイラー教授の可能性が高まった事

先ずECBです。昨日の理事会で、

(1)本年末に期限の資産購入プログラムを来年2018年9月まで債券買い入れ期間を延長

(2)買い入れ額を現行の月額600億ユーロから300億ユーロに減額

することを決定。これら自体は市場予想通りでしたが、ドラギ総裁がその後の定例記者会見で

「域内の物価圧力は引き続き弱い」
「十分な金融刺激が依然として必要」

と述べ、

「金利はQE終了後も長期にわたり現状維持する」
「資産購入プログラムも必要あれば、規模拡大や期間延長する」

とのフォワードガイダンスも維持した事から、ECBの異例な金融緩和策は維持され、緩和的な市場環境が続くと解釈されユーロが全面安となっています。

注目したいのは、ドラギ総裁が「中央銀行の目標は、異例な金融刺激策を緩やかに解消していくこと」であって、「資産購入プログラムを突如終了することはない」とし、「資産購入額の減額はテーパリングではなく、緩和策の縮小だ」と改めて強調した事です。

通貨ユーロで見た場合には、ECBが金融緩和を縮小するベクトルを持っているので、ユーロは上昇してゆくのは間違いないのですが、そのスピードがFRBの行動を上回ったり、ユーロ金利がドル金利を上回って上昇する事もないと想定される事から、ドル円はドル高が継続する中でユーロドルはドル買い・ユーロ売りの方向と想定されます。

次に、米予算決議が通過した事です。

昨日26日米下院は、税制改革に向けた予算決議案を賛成216、反対212で可決。これで税制改革を巡る議会審議が本格化します。民主党議員が全員反対、共和党からも20人が反対にまわり、僅差での可決でした。

予算決議は2018会計年度(2017年10月~2018年9月)予算の大枠を定めたもので、10年間で1.5兆ドルの減税を容認する内容です。

ポイントは、今回の決議の成立で共和党は単独で「税制法案の承認」が可能となった事で、トランプ政権が9月に公表した法人税率の35%から20%への引き下げ、所得税率の区分の簡素化などを盛り込んだ大型減税実施に向けて一段と近づいたという事です。

米10年債利回りの上昇をどうみる?(10/26 9:45)

昨日25日、米10年債利回りは一時2.475%と3月21日以来約7か月ぶりの高水準まで上昇し、前日比0.02%上昇の2.44%で引けています。 私は米国金利は上昇してゆくと予てから想定していましたし、この水準も問題ないと見ています。極めて健全な動きと見ています。

3月10日にはドル円が115.50であった時に2.6%でしたから、このまま米10年債利回りは2.6%までは上昇してもおかしくないし、ドル円も115.50までの上昇を想定しています。ただそこから3.0%へと上昇を継続するかと言えば、今年ではなく来年2018年の11月米中間選挙の結果が出た後のタイミングと見ています。

米国に関してのポイントは、米国経済は強いという事です。

第3四半期米GDPこそ2つの大型ハリケーンの影響で成長が第2四半期の3.1%から一時2.6%へと鈍化しましたが、その事は市場は既に織り込み済です。今後3%は回復し順調に伸びて行きトランプ大統領の言う5%は難しいにしても2018年には4%が見えて来るものと想定しています。

そもそも米利上げ観測から米2年債利回りが1.623%と9年ぶりの高水準を更新する中、ポイントはイールドカーブ(利回り曲線)です。手前2年が上昇するのであれば長めの10年なり30年がより上昇して右上がりの形状を維持する必要があるので10年債利回りが上昇する事は必然なのです。証左に米30年債利回りも昨日一時2.980%と5カ月ぶりの高水準を付けています。

もう1つの注目点は、新興国通貨が軒並み下落している事、これは明らかに米ドル回帰を意味しています。 

そして市場の注目はやはりFRB議長の後任人事です。FRB議長人事を巡っては、米ホワイトハウス高官が昨日25日、

「トランプ大統領はコーン国家経済会議(NEC)委員長を指名する公算は小さい」
「政権の進める税制改革に向けた取り組みで重要な役割を担っていることが理由」

と発表しました。

もともとパウエルFRB理事とテイラー教授の2名に絞られたとされていたので、この報道はサプライズではありません。ただ、FOXビジネスが、

「トランプ米大統領は、次期FRB議長人事について、イエレン現議長の再任をまだ検討している」と報道しており、この方が驚きでした。

ここで思い出していただきたいのは

(1)トランプ大統領は、米国大統領として米国株価を上昇させることを使命としています

(2)同時にトランプ氏は不動産王でした。なので金利の上昇は大嫌いなのです。

と考えてみれば、タカ派よりハト派が好きであり、タカ派人事を新議長へ持ってくる事はしないのではと予想します。故にイエレン議長の再任を今でも探っているのでしょう。

 実際にハト派、イエレン議長の再任、もしくはパウエルFRB理事の就任となれば、一旦はドル売りで反応すると想定されますが、下げても112.50、そこを下抜けても、今の相場の中心値「111.50」を下回る動きにはならないでしょう。少なくとも下値模索の売り相場への転換は無いと見ています。

 トランプ大統領は11月3日のアジア歴訪前に人事を発表するとみられているので、要警戒です。

 

明日のECBに注目です(10/25 8:40)

昨日はユーロ圏の長期インフレ期待が7か月ぶりの水準に上昇で、インフレ期待に敏感に反応する独10年債利回りは約3週間ぶりの水準0.48%へ上昇。

明日26日にはECBが理事会を開き、異例な金融緩和策を据え置くと同時に、緩和プログラムの見直しをして、現行の大規模な金融刺激策からの離脱を図ろうとしているECBの動きを先取りする格好です。

市場・関係者の織り込みは

(1)各月の購入を現行の600億ユーロから、来年1月から200億ユーロ規模にまで大幅縮小し、期間に関しては6か月延長
(2)2018年の購入を400億ユーロ規模に小幅縮小し、12か月延長

この2案を両サイドとして

(3)購入額は現行の半分300億ユーロに縮小し、9か月延長

と言うのが予想の中心と想定されます。

ポイントは、月購入額を減らし、期間を延長する案と言うのは、購入を終了させることの明確な示唆を求める当局者と、インフレ見通しが鈍い間は景気刺激を維持したい当局者との間の妥協点だという事です。

ドラギ総裁自身も、ECBは金利については、購入終了後も相当期間据え置くとしています。QE解除についての予測、初回利上げ時期の予想は、今後のインフレ率の動向次第という事でしょう。大切なのは、ベクトルの方向はQE解除だという事です。

その開始時期は早くて来年2018年中盤〜後半、後ろへずれる場合には2019年へと伸びてしまうかもしれないと見ています。

足元の市場・投資家の反応は、ユーロ買いの方向で、再度1.20を試す動きを想定しています。

NY終盤の乱高下(10/25 6:49)

昨日もNYダウは、一時200ドル超の上昇で前日比167ドル超で引け最高値更新、米10年債利回りも、米国株の上昇から大幅上昇で前日比0.05%上昇の2.42%、そんな中、昨日NYの終盤にドル円の乱高下がありました。

昨日24日の高値114.02から113.54まで急落。

これは「米共和党上院議員の少なくとも3人がトランプ大統領の税制改革に反対している」という報道に反応したものです。

ちょうど市場が更に下値を模索しようとしている時、今度は「米共和党のスコット上院議員が、トランプ大統領が次期FRB議長に誰がふさわしいかという挙手投票を共和党内で行い、テイラー氏、パウエル氏、イエレン現FRB議長の中で、テイラー氏が一番支持者が多かった」との発言報道で、一気にドルの買い戻しとなり113.97へ値を戻しています。

ブルームバーグによれば、来年2月に任期が切れるイエレン議長の後任人事に関して、米共和党のスコット上院議員の談話として、「トランプ大統領が共和党上院議員に対し、テイラー教授を次期FRB議長として支持するよう求めた」とも報道しており、トランプ大統領は次期FRB人事については、新議長はテイラー教授、副議長にパウエルFRB理事、と誘導しようとしている様子です。トランプ大統領と昼食にともにした共和党上院議員の大半が、テイラー教授の抜てきを支持する考えとの報道です。

ここで大切なポイントは、テイラー教授が就任すれば、金融引き締めを加速するとみられている事で、市場がそう織り込み、ドル円は上昇するという事です。

また米税制改に関しては、市場の期待は依然強く、その証左にNYダウは昨日も過去最高値を更新しています。

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週明けドル円はギャップアップ!(10/23 5:44)

10月23日(月)早朝5時過ぎ、NHKニュースによると、第48回衆議院選挙の結果、自民党は単独で選挙前議席に迫るとともに、公明党と合わせて、憲法改正の発議に必要な全議席の3分の2を上回る312議席を獲得して圧勝。

一方、野党側は、立憲民主党が選挙前の3倍を超える議席を獲得で、野党第1党になることがほぼ確実になりました。

自民党は、小選挙区で217議席、比例代表で66議席の合わせて283議席。
立憲民主党は、小選挙区で17議席、比例代表で37議席の合わせて54議席。
希望の党は、小選挙区で17議席、比例代表で32議席の合わせて49議席。
公明党は、小選挙区で8議席、比例代表で21議席の合わせて29議席。

この結果を受け、ドル円は、先週末NY引けの113.50水準に比して週明けオセアニア市場で113.90/95水準のドル高となっています。

ドル円、10月23日からの週はこう見る(10/22 4:31)

「政治」「経済」「地政学リスク」の3すくみの相場が10月も継続中ですが、今週も神経質なもみ合い相場と想定します。

気になるポイントは、日経平均が堅調に19日前場引けには21503円と1996ン3ン10月21日以来21年ぶりの21500円第に乗せました。NY株の史上最高値更新や米10年債利回りの2.29%から2.38%への上昇を好感して円安が進行するものの、連動性が低い事です。

CMEの円ショートが100000以上へと膨らみ、市場のポジションは傾いていて上値を重たくし、ドル売りに反応しやすいのですが、強い抵抗帯となっている114.50〜115.50の早晩上抜けを試しに来るでしょう。

「地政学リスク」

先ずは「地政学リスク」。

北朝鮮リスクに関しては、「実際の軍事衝突」でない限り、相場への影響は一過性のものになるとの見方に変わりはありません。ただ決して米朝懸念は円満解決をした訳では無いので、いつ又ミサイル発射や核実験があってもおかしくはありません。24日に第19回中国共産党大会が終了した後、米第7艦隊が朝鮮半島周辺で訓練を行う26日までに、北朝鮮が太平洋上で水爆実験を強行し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射する可能性があります。北朝鮮が警告通りに強行した場合、マティス米国防長官は軍事行動を示唆しているので、朝鮮半島で軍事衝突が実際に始まるケースも想定され、その場合には円買いが加速するはずです。

「政治」

「政治」で注意すべきは、先ずは米予算案と税制改革法案の行方で、米下院は今週にも上院が承認した2018会計年度(2017年10月〜2018年9月)予算決議案を採決する見通しです。この税制改革は10年間で1.5兆ドルの減税を容認する内容で、トランプ政権が目指す大型減税の議会審議がやっと本格化する運びとなり、市場のこの税制改革への期待が年末に向けてドルを下支えていくと見ます。

次は次期FRB議長人事で、20日のホワイトハウスの報道によれば、次期FRB議長候補はパウエルFRB理事とテイラー教授に絞られています。パウエルFRB理事はイエレン議長ほどではないもののハト派寄りで現行の金融政策を継承すると見られる一方で、テイラー教授は5人の候補者の中でも最もタカ派で、もしテイラー教授が指名された場合には、FRBの金融政策の運営に大きな変革をもたらすと見られています。

とはいうものの実際に現状で新議長が特色を強調できる範囲は限られ、現行のFRBの路線を党首して行くものと想定しています。つまりどちらの候補が親FRB議長に指名されても、究極はやはり年末に向けてドルを下支えていくと見ます。ただ発表後の反応は、テイラー教授ならばドル買い、ハト派のパウエルFRB理事ならばドル売り、イエレン議長の留任ならば中立要因でしょう。

22日の本邦衆議院議員選挙では予想通りに与党・自民党が勝利の場合には、アベノミクスの継続を連想させ株高・円安要因です。リスクシナリオは、与党・自民党が惨敗して安倍首相が退陣に追い込まれるケースで株安・円高要因です。

因みに、11月1日のFOMCを控えて、FRBはブラックアウト機関入りするため、FRB高官の講演は予定されていません。

「経済」

そして「経済」、今週はGDPです。

27日に米第3四半期GDPが発表されます。2つの大型ハリケーンが成長を抑制し、2.5%の成長が予想されています。第2四半期の3.1%成長から鈍化するものの、FOMCや市場・投資家は第4四半期には復興需要などで、大きく反発すると見ています。

CMEの円ショートが100000以上へと膨らんで市場のポジションが大きく傾いています。

(1)市場が91.7%と織り込んでいる12月FOMCでの米追加利上げ
(2)FRBが想定している来年2018年の3回の利上げ

を徐々に市場が織り込み、結論としては、今週ドル円は底硬いと見ます。

上記の3つの「政治」「経済」「地政学リスク」のポイントを睨みながら、108〜115のレンジを神経質に上下動、それもその上限を試す展開を想定します。

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