第1回では、誤解されがちなスキャルの実像としまして、「スキャルピングを選ぶ参加者は少ないのに成功者は多い」「多くの常勝FXトレーダーが好んで使う手法である」「結果的なメンタル負荷が少なくて済む」などのお話をさせていただきました。その上で、今回はFXスキャルピングの基礎や、私が実践してきた勉強方法などを綴っていきたいと思います。
FXスキャルピングの基本
時間が短い、少ない獲得pips…などと単純に区別されることが多いスキャルピングですが、これは間違った理解であり、実際は「狙い方やトレード姿勢」にあります。
例えば一つの標準的なトレード手法として、上位足のトレンド方向に対して押しや戻りを待ち、反転サインの確認でエントリーという順張りをする場合、これはスキャルでもデイトレード、スイングトレードでも理念上はパターンとして同じです。しかし、実際のトレードでは反転の基準やストップラインは数多くあり、それらを精査することでスキャルピングならではの“優位性のより高いポイント”が存在します。さらにこのポイントは、時間軸や波形(チャートを全体的に見たときに描く山と谷)の小ささゆえに、他のスタイルと比較にならないほど頻繁に出現します。
イグジットに関しても、デイトレやスイングでは一つ以上の波形、または上位足の波形や、テクニカルラインまで利益を狙います。それに対してスキャルピングでは、同じ時間軸の波形完成前や直近の抵抗前、特定のテクニカルラインというように、優位性が一定以上低下する場所をイグジットの基準としますので(基準はボラティリティやスキャルパーによって異なります)、必然的に非常に高い勝率を得ることが可能となります。なお、損切りに関しても優位性が一定以上に低下するポイントが基準となります。
このような書き方をすると「やっぱりスキャルは難しい」と思われるかもしれないですが、難しく考える必要は全くありません。「優位性が高い所だけ狙う」という極々単純なトレードスタイルであり、数パターンのルールを構築できればあらゆる局面がチャンスとなります。
単純に考えるから良い
単純な作業の繰り返しは、時としてストレスがたまるかもしれません。ですが、トレード中に相場から受けるストレスの多くは、監視している時間に対してチャンスが少ない場合や、想定と結果が伴わないときほどたまります。その点においてスキャルの場合、普段からチャンスが多く、必然的・相対的に高い勝率を目指すこととなりますので、相場から受けるストレスはたまりにくいといえます。
単純な作業にトレードの楽しさはありませんが、遊びではなく仕事だと割り切って考えることで、お金が増える結果につながり、増えたお金で私生活を楽しむことができれば、それこそが本来の運用目的ですよね。
単純なトレードだからこそ、ストレスやメンタルの負担が抑えられ、良い結果につながるのです。
FXのスキャルピングに必要な情報
トレード前に必要な情報は、主に「環境認識・背景認識・相場心理・テクニカル状況・抵抗ライン」などです。そして「相場観を持ち、戦略立て」を行います(これらは有料メルマガで配信しております)。
大切なのは、自分のトレードに対して、最低限の情報に止めておくことです。デイトレードなど他のスタイルを現在選択しているのであれば、中長期的に必要な分析や情報は簡略化させ、時間軸を下げた分析に重点を置き換えることでおおむね対応できます(ただしテクニカル指標についてはスキャルに合ったパラメーターの変更などが必要)。特にスキャルでは抵抗ライン前後がチャンスポイントとなる場合が多いので、意識された抵抗を探すことが最も重要となります。
お勧めのスキャルピング練習方法
私がお勧めするのは、何よりチャートの監視と、小ロットによる実戦トレードです。
テスターやデモトレードは、テクニカル的な優位性の把握や調整、システム的な練習には大変便利ですが、外部環境(ファンダや他の指数)を併せた検証が難しかったり、ノーリスクであるがゆえにFXで最も重要なメンタルトレーニングにならなかったり、本当の意味でトレードの練習として適しているとはいえないのです。
初めてスキャルをされる方が、いきなり実戦となるのは抵抗があるかもしれませんが、最低限の基礎や基本概念を学んだ上で、スピードも緩く情報が最も多いドル円にて、最低ロット(1000通貨や100通貨から取引できるFX会社も増えています)での練習が何より勉強となり、メンタルトレーニングにもなります。
デイトレードをされている方であれば、手法をそのままに時間軸を5分足や1分足に変更し、エントリーサインやイグジットサインが機能しているか見てください(トレードはしないで構いません)。結果、ある程度有効に機能しているのであれば、最小ロットでの実戦を繰り返し、より優位性の高いエントリー・イグジットポイントを探します。
この方法のままでは短いデイトレードになりますが、優位性を重視したポイントでの取引ができるようになれば、スキャルピングとなります。
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次回テーマ
「自分専用のスキャルピングスタイルを構築する(仮)」と題した内容を書く予定です。スキャルパー同士でもスタイルはさまざま。資金や性格など加味したスタイルの構築方法を、スキャルピング手法と共にご紹介させていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |