長く投資を行っていると、思わぬ損失にショックを受けることは誰しもが経験するはずです。大小は人それぞれだと思いますが、有名FXトレーダーはそのショックを乗り越え、安定した利益を上げられるまでに成長しています。今回は投資家で有名ブロガーでもあるサトウカズオさんに、これまでのFX歴の中で一番ショックだった出来事を語っていただきます。
リーマン・ショックで300万円の損失
皆さんこんにちは、サトウカズオと申します。私はトルコリラ円やメキシコペソ円へのスワップポイント狙いの投資、および自動売買の取引を行っています。そして、取引のやり方や設定方法などをブログに書いて生活しています。
今年7月にそれまで勤めていた会社を辞めたので、いわゆるセミリタイヤ状態です。今回は私の「歴史的ショック」経験談について書かせていただきます。
私が一番負けた爆損トレードは、2018年8月のトルコショック時です。トルコリラ円を損切りし、1600万円の損失を出しました。しかし、一番ショックを受けた歴史的な出来事はリーマン・ショックで、300万円の損失を被ったことです。いつも負けていますね(苦笑)。最近FXを始められた方でも名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。それくらい有名な出来事です。
リーマン・ショックとは、2008年9月15日に米国の証券会社であるリーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した世界規模の金融危機のことです。日経平均株価は約1か月で1万2000円台から6000円台へと40%以上も下落。ドル円もリーマン・ショック直前の1ドル108円台から3か月後の12月には87円台へと、20%以上も円高が進みました(チャート①)。
ぼうぜん自失となるも再びFXの世界に復帰
私はリーマン・ショックが起きる2か月前にFXを始めたばかりでした。ちょうどそのころはFXの個人取引が盛り上がっていた時期でもありました。1998年、金融取引に関する大幅な規制緩和により、FXが個人投資家にも解禁されました。そのときがFXの第1次ブームといえるでしょう。
しかし、当時はFX取引に関する法律や規制が少なく、FX業者の口座から出金できないことも。また、多額の手数料をだまし取る悪徳業者も多くいました。そこで改正された金融商品取引法が施行され、リーマン・ショック前年の2007年9月にFX業者は登録制となり、金融庁の監督下に置かれるようになりました。それによって、より安全・安心にFXを行えるようになり、第2次FXブームといえる状況となりました。
そんなころ、ゲーム雑誌を買いに本屋へ行った際、たまたま資産運用のコーナーでFX関連の雑誌を読んだことがFXを始めるきっかけとなりました。そのころの私は大してFXの勉強もせずに「お金が増えたらいいな」と素人考えでデイトレードをしていました。チャートを見ずに…というよりもチャートの見方が分からなかったので、気分で「今日は買いで入ってみよう」「今日は売りかな」と適当にトレードをしていました。今考えると本当に恐ろしいことです。
「30pips動いたら利食い、3000円GET!」といったように特に理由もなく適当にやっていたのに、最初の1か月ほどは儲かりました。不思議ですね。ゲーム感覚でトレードをしていたのですが、これがビギナーズラックというものでしょうか。
そして、FXを始めて2か月後にやってきたのがリーマン・ショックです。当時でもスワップポイントの存在は知っていたので、ドル円のロングポジションを多く持っていました。しかし、急激な円高となり「損はしたくない、いつかは円安に戻るだろう」と根拠のない期待を持ってチャートを眺めているだけでした。
損切りはしたくなかったので、お金を何度も追加入金して耐えていたのですが、8月には110円台だったドル円も10月の終わりには91円を割る状態に…。とうとう耐えきれなくなって90.90円でロスカットされてしまい、私のFXデビューは7月から10月までのわずか4か月間で終わりを告げてしまいました。失った損失は300万円にも上ります。その金額を確認してぼうぜんとしました。
300万円を失ったときは、もう「どうなってもいい・どうでもいい」という気持ちになりました。「ご飯を食べなきゃ、会社に行かなきゃ→どうでもいいや」ならまだ良いのですが、仕事で得意先に向かう途中の高速道路で「あ、カーブだ。このまま直進を続けたらどうなるのだろう? もうどうでもいいや」と一瞬でも思ったときはさすがにヤバいと感じました。FXや株で失敗して身を滅ぼす人の気持ちが少し分かった気がします。
気持ちをリセットし、切り替えるのに時間がかかりましたが、「車で事故を起こして300万円損した」と割り切ることにしました。そう思わないとやっていられませんからね(笑)
ただ、やはりショックには変わりなく、リーマン・ショックを機にFXの世界から一度は足を洗いました。もうFXには手を出さない、仕事を頑張って堅実に生きていこうと…。しかし、私も人間ですし、欲もあります。「副収入がほしい、ゆくゆくはFXで生活したい!」と思うようになり、恥ずかしながらFXの世界に戻ってきました(笑)
※この記事は、FX攻略.com2020年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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\FX会社によって違うところをチェック/
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スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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