ボリンジャーバンドといえば、“移動平均線を応用した逆ばり指標”というイメージをおもちになる方も少なくないと思います。ただ、私としてはそういった偏った見方・使い方をするにはもったいない指標だという認識があります。ボリンジャーバンドを活用して失敗する方の多くは、偏った見方をしすぎることと、性質の理解が甘いことが原因となるケースが多いです。
ボリンジャーバンドは、性質を上手に活用したり、幅広い視野をもって活用することで、より高い効果を発揮させることができる指標のひとつですから、今回を機にぜひ広い知識をもって活用してみてください。
移動平均線に標準偏差という統計的な発想を加えたもの
まず、このボリンジャーバンドそのものの概念としては、移動平均線に標準偏差という統計的な発想を加えたものです。移動平均線を起点とした上下3本の線を、1σ(シグマ)・2σ・3σとなり、上をプラス、下をマイナスと呼び、一定周期での価格の分布傾向を知ることができます。そして、価格が一定範囲で留まる確率(表1)を活用して、将来の価格の変動の予測をたてるというものになります。
移動平均線と標準偏差をはじき出すために、一般的には終値をベースとしますが、TPプライスという“高値+安値+終値の平均”をベースとするパターンもあります。また、高値と安値の平均をとるという方法もありますので、好みや活用方法などによって変更するのもよいと思います。
移動平均線の期間20日〜25日を採用
図表Aは、過去の価格帯の密度と幅を示しています。縦軸は、その価格帯にいた時間の長さを示し、横軸はその期間の値幅を示します。いうなれば、バンドを輪切りにして見たようなものといっていいでしょう。ボリンジャーバンドの生成にあたっての移動平均線の期間ですが、必要以上に長ければ、反応が鈍く、正確性は高いけれど発生割合が低く、短すぎれば敏感であるがゆえに、だましが増加します。期間としては20〜25を採用するのが一般的です。
トレードポイントとしての活用方法
さて、肝心のトレードポイントとしての活用方法ですが、まずは、逆張りと順張りです。逆張りについては、多くの書籍などでもいわれている、±2σ〜3σへの到達からのいき過ぎをとらえてエントリーする、という方法がありますが、これが生じる確率というのは、とくに、拡散期においてはとても低いです。
ですから、逆張りでのエントリーに臨む場合は、価格が横ばいで、バンドが比較的狭いとき、小刻みなトレードを行うとよいでしょう。ただし、ロスカット注文なしにエントリーするのは禁物です。続いて順張りの場合、バンドの収束から拡散へと切り替わる、バンドブレイクアウトを活用します。ボリンジャーバンドの、“収束と拡散を繰り返す”という性質を理解していれば、これほど絶好のエントリーポイントはありません。それから、拡散期には比較的値幅も期待できるので、大きな利益が見込めるということも非常に魅力的です。この方法は、開発者のジョン・A・ボリンジャー氏も非常に信頼を置いています。
ボリンジャーバンドの良さ
ボリンジャーバンドの良さは、単に順張りや逆張りを手伝うというだけでなく、移動平均線からの価格の伸び、トレンド衰退の察知というような、今後の動きに一定の目処をつける際にも活用できることです。価格が移動平均線よりも上にあるか下にあるかという、ごく一般的な移動平均線の活用をすると同時に、たとえば、①のように移動平均を超えてきたとき、どこまで値が伸びるのかという目処を、それぞれのσラインに置くことができます。
1σを超えれば2σ、さらに超えれば3σをサポートラインとして見れば、ある程度の上限、あるいは下限として予測を立てることができるので、適合性の高いエントリーが可能になります。そして、ボリンジャーバンドの性質から、拡散はいずれ収束へ向かうのですから、当然、反発が起こりますね。そのとき、トレンドの衰退をいち早く知らせるのは、上下の3σです。それぞれの3σのラインが頂点を経て内側に傾くため、それを利益確定ポイントとして活用するのです。これらは視覚的な判断がしやすく、発生して適合することが多いので、すぐにでも活用できることと思います。
しかしながら、そこで忘れてはいけないのが、当然、価格は上下に推移するものであり、現在想定される水準を突破して、新たな領域へと足を踏み入れていくということ。これらはあくまで過去の平均による偏差値であることを念頭におき、冒頭にも申したように、偏った見方ではなく、真価を活かす見方をしていただければと思います。(月刊FX攻略.com 2013年6月号掲載)
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