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トレンド系指標の代表格「平均足」の特徴と活用方法[マックス岩本]

今回取り上げるのは、ごくごく素直なトレンド系指標の代表、平均足です。

実のところ、これまで私自身は相場のトレンドを予測するのにあたり、移動平均線を多用してきたため、この平均足の“使い手”とまではいえないのですが、今回この記事を掲載していただくにあたって、改めて調べていくと、この指標の魅力や活用の幅の広さを再確認することができました。今回は、ベーシックでありながらも、かなり使える平均足の魅力を、再認識していただける場にできればと思います。

平均足とは

平均足は、ぱっと見ではローソク足と似ていますが、ローソク足が4本値をオンタイムに表示していくのに対し、平均足の内容構成は図1の通りです。

高値と安値は通常のローソク足と同じですが、それ以外はまったく異なることがおわかりになると思います。図2のチャートのように、ある程度のトレンドさえ出ていれば、一色が長く表示されてトレンドの継続が見て取れ、比較的安定的に投資判断を下すことができます。

何ごとにおいても、人は視覚的な要素の影響を大きく受けるため、平均足のように、色やかたちでトレンドをつかんでいけるものは、初心者の方にも受け入れやすい指標だともいえます。

平均足の活用法

平均足の活用方法は、陽線は強気、陰線は弱気というトレンドを単純に判断するという基本的な使い方の他、以下のような活用方法があります。まず、足の実体の長さ(値幅)でトレンドの強さを計る方法。平均足の場合、ひとつ前の足の平均値が加味されているので、値動きが小さくなるにつれて、足の実体は小さくなり、逆に大きくなれば、実体も大きくなります。その大きさでトレンドの強さを計ることができます。

また、これとは逆に、ひとつ前の実体よりも小さい場合や単体で十字足が出たら、トレンドの転換ととらえる方法もあります。ポジション保有中にこの現象が発生すれば手じまいを、保有がなければさらなる様子見とします。イメージ的には、投資判断に待ったをかける様な使い方といえるでしょう。

平均足のひげの長さに注目

ここまでは、ひとつ前の足との比較で判断でしたが、続いては、その足のみでの形状で判断する方法です。ひとつ目は、その足のひげの長さに注目していきます。

  • 実体が陽線で、なおかつ長い上ひげがある場合は強い上昇トレンド。
  • 実体が陰線で、なおかつ長い下ひげがある場合は強い下降トレンド。
  • 実体が陽線でありながら、逆に長い下ひげが出たら、または、実体が陰線でありながら、逆に長い上ひげが出たらトレンドの転換を示唆。

平均足のひげは、ローソク足の高安値と同じであるため、実体との比率によって多くのことを教えてくれます。このように、トレンドの強さや転換を手軽に判断できるという点も、強い味方になってくれるひとつの要素といえるでしょう。そしてもうひとつ、陽線から陰線、陰線から陽線へ転換し、その後もその方向へ追随する動きが見られたら、強いトレンドに乗っていこうという活用方法があります。これは、ダウ理論の“トレンドは継続する”という根本的な発想を元にしているともいえ、トレンド系指標をよく活用される方には馴染みやすい方法ともいえそうです。

トレンド系指標の弱点

優位性が高く、活用の幅が広い平均足ではありますが、値動きに対して遅効性があり、突発的な動きに対応しにくいというトレンド系指標の弱点は、平均足にも例外ではありません。たとえば、図3の○の部分は、ローソク足ではひとつ前の足の安値を大きく割り込んでいて、下降トレンドへの転換が確認できますが、平均足で見ると、先ほどの活用方法でも触れたように、“転換かもしれない”という判断ができる十字足が現れるに留まっています。結果論でいえば、この後、陰線が引かれたときにエントリーしても、幸い、利益確定が可能な範囲ではありますが、いつもそうということはありません。

ここまでお話すれば、きっと予想がついているかと思いますが、やはり、横ばい相場には弱いという点も頭に入れておく必要があります。遅効性があるために、値動きの乏しいときには上下に振られてしまうところがあるので、それを回避するために、複数の時間軸で平均足を見ておくことをおすすめします。トレンド系指標の定めともいえる弱点を克服し、指標を有効活用するために必要なのは、それについての理解を深めることと、思い込みや理想を抱きすぎないことが必要不可欠な要素です。その認識を新たにして、平均足に目を向けて頂けたら嬉しいです。(月刊FX攻略.com 2013年7月号掲載) 

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