【来週の米ドル/円予想レンジ】→ 108.50-110.65
「No Cause for Japan to Intervene Now in Currency Market(現時点で日本の為替介入に正当な理由なし)」-。これは米通信社が4/13に報じた見出しだ。国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者見解によると、日本が介入の可能性を示唆すれば世界から冷淡な反応が示されるとした見方である。
黒田バズーカ“不発”の代償
「It is probably no exaggeration to say that “QQE with a Negative Interest Rate” represents the most powerful monetary easing in modern central banking history.(「マイナス金利付き量的質的金融緩和」は、近代の中央銀行の歴史上、最強の金融緩和スキームと言っても過言ではないでしょう)」-。
これは4/13に黒田日銀総裁が米国で述べた見解だ。しかしインフレ期待の低下が物価目標達成にリスクをもたらす場合には、追加緩和を「躊躇しない」姿勢も重ねて表明しており、足元の消費者物価がゼロ%程度を続ける中では4/28日銀会合での追加緩和“第4弾”観測が燻り続けている。
理由は簡単だ。1/29の黒田バズーカ第3弾「マイナス金利」導入で円安にならなかったからであり、IMFが2016年の日本の成長率見通しを引き下げたことについて「年初来の円高が進んだのが影響しているかもしれない」と黒田総裁自身が4/15に認めているからだ。
百鬼夜行と「必要な措置」
4/7以降の円高進行に対し、菅官房長官・麻生財務相・自民党稲田政調会長から「必要な措置」とした発言が噴出した。マイナス金利の効果浸透に時間を要するとの見方が指摘される中では“百鬼夜行(深夜に徘徊をする鬼や妖怪の群れ)”の如き“円買い攻めの妖怪”に経文を唱えた格好となる。
しかし要人による牽制発言は政府主導(介入)の難度を逆に浮き上がらせた格好でもあり、海外から「為替操作」の誹りを回避するには日銀に委ねざるを得ない裏返しの状況とも読める。
黒田総裁の在任期間残り2年を鑑みると、拙考だが現「量」「質」「金利」の3次元に「時間」を加えた4次元緩和、例えば対インフレ率での緩和規模を自動設定するなど“金融版ビルトイン・スタビライザー”など強硬議論もあるのではないか。
4/18週は4/28の日銀会合まで「必要な措置」の経文効果の持続性と日銀追加緩和有無と規模を探る展開と考えている。
上値焦点は4/7高値109.91、4/6高値110.65。越えれば4/5高値111.345を期待。下値焦点は4/14安値108.95、4/13安値108.50。108円台前半維持に失敗した場合は4/7-11-12安値の107.62-69-86圏を最終橋頭堡と推考。
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