トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ユーロドルは次のステージへ
昨日はEU復興基金案合意やコロナウイルスのワクチン開発進捗を受けてNYダウが上昇しました。リスクオンのモメンタムからドルが売られ一時ドル円は106.68円まで下落し、ユーロドルは1.1541ドルまで上昇する展開となっています。
ユーロドルは重かった1.145ドルを上抜けて1.150ドル台まで上昇しており、チャートを見ても勢いがつきそうな形となっています。テクニカル的にユーロドルの立ち位置は改善されており、中長期のコアポジションであれば、ロングキープでもよさそうです。ただし、短期であればここからロングとするには少し抵抗があります。IMMのユーロロングが積みあがっているほか、材料出尽くし感もあり、一旦ポジションはスクエアにして様子を見てみたいと思います。
英FTA交渉に注目
ユーロ同様にポンドも徐々にボラティリティが出てきており、英FTA交渉に注目です。
本日早朝に英メディアが英国・EU間のFTA交渉の合意が難しいとの観測記事を出しており、再び「合意なし」への警戒感が強まる可能性に注意したいです。足元のポンドドル相場は6月上旬の高値1.2812ドルに接近する勢いですが、FTA交渉に関してやや楽観的な見方が多い状況です。合意への期待感が削がれる内容のヘッドラインにはポンド売りで反応することが予想されるだけに、動向を注視したいです。
ドル円は神経質な展開 戻り売りか
ドル円は引き続き感度が鈍いですが、ドルが売られやすい地合いということもあり、下値を試そうとしているように見えます。ただ、ここから下にはGPIFもいて106円前半では神経質な展開になります。ドル円はショートホールドというよりは、戻り売りで回転しながらのオペレーションを考えています。
日本は明日から4連休
日本は明日から4連休となります。本邦勢がいない隙に短期勢が円買いを仕掛けてくるとの思惑がありますが、現在のクロス円はロスカットを狙うには仕掛けにくい値位置にあり、崩れる可能性は低いと考えています。ただ、マーケットにはコロナウイルス感染拡大、香港・ウイグル・南シナ海を巡る米中対立、不透明な米大統領選とヘビー級のリスク要因を抱えていることは確かで短期勢にとっては円買いの口実は十分にあります。テールリスクではありますが念のため、警戒はしておきましょう。
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