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なにわのチャート博士・神藤将男の中間波動攻略メソッド!|第19回 ドルインデックスのサイクル分析[神藤将男]

利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。

※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。

ドルインデックスのサイクル分析

 皆さんこんにちは。前回は「ドル円」を「サイクル」という側面から分析しました。サイクルから見ると、どの辺りでボトムをつけるのかを予測することができました。

 予測というのは予想とは違って、あらかじめ測っておくことです。前回のサイクルと同じような動きになればボトムがいつになるのかという仮説を作り、それに対して相場が非常に強いトレンドを作ればそのサイクルは延長するでしょうし、あるいは相場が小さな動きであればサイクルは縮小するでしょう。そして、今のチャートが予測の動きと比べて強くなってきたのか、弱くなってきたのかといった変化に対して敏感になることで、マーケットの動きに柔軟に対応する力がついてきます。

 今回はFXをする上で必ずチェックしなければいけない「ドルインデックス」の現状分析をしていこうと思います。世界の基軸通貨はドルです。そのドルは対ユーロや対円などで動きが違ってきます。そのドル自体の動きを見るときに役立つのがドルインデックスです。では、ドルインデックスから何が分かるのかを見ていきましょう。

ドルインデックスとは

 ドルインデックスは、複数の主要通貨に対するドルの為替レートを指数化したものをいいます。米連邦準備制度理事会(FRB)や取引所、大手金融機関などが算出しており、多少の違いはありますが、ここではユーロや円、ポンド、カナダドル、スイスフランなど複数の主要通貨に対するドルの総合的な価値を示す指標とします。

 なぜ、わざわざドルインデックスを見るのかというと、個別の一通貨ペアの為替レートを見るよりも世界経済におけるドルの価値を正確に見ることができるからです。例えば、日本ではドル高といえば通常、円安ドル高をイメージします。しかし、外国為替市場でドル高といえば国によってイメージする通貨ペアが違うのです。また、円安ドル高が進んだからといっても必ずしもドル指数が高くなるわけではないのです。

現状分析

 まずはドルインデックスの月足チャート全体を俯瞰して、トレンド相場と中間波動を見極めていきましょう(チャート①)。1990年後半から2001年にかけては上昇トレンドとなっていました。そこから2008年までは下降相場でした。この動きは上下の違いはありますが分かりやすい動きになっています。

チャート① ドルインデックス 月足(1995年11月~2021年1月)

出所:TradingViewによるドルインデックスチャート

 しかし、そこから2014年までは三角もち合いになり、方向性が分かりにくい動きでした。このように大局が中間波動になっている銘柄はトレードが難しいということを理解しましょう。それと同時に、中間波動が終わるところはトレンドの初動につながりやすいということも同時に覚えておきましょう。

 2014年からは小さな上昇トレンドとなりましたが、その後は再びトレンドのない中間波動になっています。なぜなら、2017年1月に高値、2018年2月に安値をつけてからはそのどちらも更新していないからです。つまり、現状は中間波動の間の値幅は狙えるがトレンドはないということが大局から分かります。それと同時に先ほど述べたように中間波動の終わりはトレンドの初動につながりますので、そこを発見していくのです。その鍵を握っているのが、指数が近づきつつある2018年2月の安値を割るかどうかです。この安値を割ってくれば、大局の下降トレンドにつながることが想定されます。

サイクルから分析

 過去のサイクルの周期を調べると、おおよそ37本から45本前後で推移する傾向があることが分かります。そして、現在の周期は2021年1月の段階で35本ですので、この流れからすると、あと数か月でボトムの時期がくることが予測できます。このときに、下降相場の勢いがなくなっていけばそれよりも早くボトムをつけて反転し、相場の勢いが増していけばそれよりも長い周期で下降が続くことも予測できます。つまり、2021年相場の前半の動きを確認することで、大局においてドル安相場が継続するのか、それともドル高に転換するのかが見えてきます。

 さらに、前回のサイクルが強気だったことで、本来は今のサイクルも強気になっても良いのですが現状は微妙なところです。これもチャートに現れている変化ですね。こういった変化の確認を積み重ねることで分析に厚みが出てくるのです。

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まとめ

 トレードをする上でドルの動向を理解することは非常に重要です。なぜなら、大局においてドル高相場となっているのか、ドル安相場になっているのかによって戦略が全く変わってくるからです。だからこそ、FXをしている方は全員、ドルインデックスの動向を確認する必要があり、今の状況をしっかりと分析することが大事なのです。

 この分析方法を週足や日足に落とし込んでいくと、さらに深く細やかな分析ができるようになりますので皆さんもぜひマスターしていきましょう。

※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。

「なにわのチャート博士・神藤将男の中間波動攻略メソッド!」連載記事まとめはこちら

ABOUT ME
神藤将男
しんどう・まさお。小次郎講師こと手塚宏二氏が代表を務める(株)手塚宏二事務所のもとで、ストラテジスト兼テクニカルアナリストとして活動。TradingViewでさまざまなチャート分析のアイデア投稿を行っている。
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