利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
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皆さんこんにちは。前回はユーロドルの週足チャートに水平線とトレンドライン、そしてチャネルラインを引いてから、それぞれのシナリオを考察しました。シナリオの考察を継続することで、どういった相場展開になっても対応できる力が身につきますので、トレードするときにはシナリオを考察する習慣を持ちましょう。このラインを引いてシナリオを作ることは基本的な部分になります。ここから少しずつレベルを上げていきますので、しっかりとついてきてくださいね。
トレンドの終わりとは?
中間波動を攻略するということは、トレンド相場の初動と終わりをしっかりと狙うということです。そして、その中間波動に出てきやすいパターンは今までいくつか紹介しました。トライアングルやフラッグなどがそうでした。今回からは中間波動を攻略しトレンドの初動を狙えた場合、どこで手仕舞いをすればよいのかといった話をしていきます。具体的にいうと、トレンド相場が続いた後は、どこかでトレンドが転換します。そのトレンド転換するところが手仕舞いのポイントとなり、新たな仕掛けのポイントにもなります。トレンド転換するパターンはいくつもありますが、まずは「ダブルトップ/ボトム」をひも解いていきます。
ダブルトップ/ボトム
トレンド転換を示すパターンの一つであるダブルトップ/ボトムですが、もしかしたら、「そんなことはとっくに知っています」といった声も聞こえてきそうです。ではお伺いします。なぜ、ダブルトップやダブルボトムが形成されるとトレンド転換になるのでしょう。また、その形状の内面にある買い方と売り方の心理状態がどのように変化してトレンドが転換するのか、といったことまで説明できるでしょうか。
もし単純に「Wの形状だからダブルトップ/ボトム」といっているのであれば、「移動平均線がゴールデンクロスだから買い、デッドクロスだから売り」といっているのと同じです。なぜゴールデンクロスだと買いで、なぜデッドクロスだと売りなのでしょうか。その意味や理由を理解していないと単なる付け焼き刃となり、しっかりとした分析はできません。ではダブルトップ/ボトムを見ていきましょう。
Wの形成
今回はダブルボトムを例にして、Wの形状ができる流れを確認していきます。チャート①をご覧ください。最初は下降トレンドが継続しています。下降トレンドの定義は、高値も安値も切り下がっていく動きですが、そのトレンドの継続はどこかで破綻します。つまり、下降トレンドの定義である高値、安値が切り下がる動きに変化が出てきます。その値動きがWの形状になるということです。
そして、今度は下降トレンドから上昇トレンドに転換していきます。上昇トレンドの定義は、高値も安値も切り上がっていく動きです。当然ですが、下降トレンドの流れと反対の動きになります。ダブルボトムとは、そのトレンドが転換するときに出てくるチャートパターンの一つなのです。
Wの完成
では、もう少し詳しく見ていきましょう。下降トレンドが継続していく中で、本来ならば直近の安値を価格が割っていくところを反対に安値にサポートされます。つまり、直近安値が支持線(サポートライン)になったということです。そこから価格が反転して、今度は直近の高値を上抜けていきます。それまで直近高値は抵抗線(レジスタンスライン)としての役割を果たしていましたが、価格がレジスタンスラインを上抜けたことで、今度はサポートラインに変化します。そのラインのところをネックラインと呼びます。
上抜けた価格がもう一度反落してきたときにネックラインでサポートされて「サポレジ転換」という現象が起きます。これはサポートとレジスタンスが転換するという意味です。サポレジ転換し、価格が反転上昇したところで上昇トレンドとなり、ダブルボトムが完成します。
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投資家の勘違い
このようなチャートパターンを知った投資家は、まずチャートの形状だけを見てダブルボトムだから買い、ダブルトップだから売りというように決めつけます。しかし、トレンド転換への流れを確認する前に決めつけたトレードをすると、トレンド転換せずに逆方向に大きく動き、結果的に大きく負けるということになりかねません。単に売買サインを知るだけでなく、その内容や意味を理解することが重要となります。今後はより深くWを考察していきましょう。そして、付け焼き刃ではなく本質を理解した投資家を目指しましょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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