利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
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皆さんこんにちは。前回は「ダブルトップ/ボトム」について解説しました。ただし、単純に「W(ダブル)」の形状だからダブルトップ/ボトムといっているのは単なる付け焼き刃であり、その本質を理解して初めてダブルトップ/ボトムを使いこなし分析ができるようになるということをお伝えしました。今回はその本質を学んでいきましょう。
チャートにWが形成される心理
今回はダブルトップを例にして、確認していきましょう(チャート①参照)。
上昇トレンドが続いています。上昇トレンドの定義は、高値も安値も切り上がっていく動きです。そのときに注目すべきポイントは、トレンドが継続しているときにできる高値です。その高値を更新するからこそ、トレンドが継続しやすくなるのです。なぜなら、上昇トレンドにおいて主導権を握っているのは買い方です。その買い方は高値を更新することで利益が増え勢いがつくからです。
ところが、そのポイントとなる高値を更新しなくなるときがきます。前回の高値が抵抗線となって反落するところです。そうすると、買い方の心理としては、高値更新ができなかったことでトレンドが終了するかもしれないという思いから、利益確定売りに動きやすくなります。その心理の変化によってWが形成されるのです。
ただし、この時点では高値更新できずにWとなったという事実があるものの、トレンド転換かトレンド継続かはまだ確定していません。なので、Wになってきたから仕掛けるというのは付け焼き刃といえるのです。
Wにおけるトレンド転換の心理
ここからの展開が一番重要ですので、しっかりと理解していきましょう。まず、買い方が利益確定売りに動くことでWを形成し、買い方も勢いがなくなっていきます。そして、売り方が徐々に息を吹き返してきます。
ダブルトップでは二つの山が形成されます。その二つ目の山のときに、多くのパターンでは安値と安値を結んだトレンドラインを割り込んできます。これが最初の変化の暗示です。買い方はトレンドラインを割ることで上昇トレンドの継続性に疑念を抱き始めます。
次に、その山と山の間の安値に引いた水平線を割り込んできます。ここで初めてトレンド転換の可能性が高まります。なぜなら、直近の安値を割り込んだことで、それまでの高値も安値も切り上がる上昇トレンドの定義が破綻するからです。
この上昇トレンドが破綻することで、下降トレンドの始まりの予兆となります。買い方は上昇トレンドが破綻したことで、手仕舞いをしてきます。また、値下がりを狙う新規の売り注文も出てきますので、下降の動きが加速していくのです。
サポレジ転換の流れを理解する
トレンド転換のキーポイントとなるのは、ダブルトップの二つの山の間の安値に引いた水平線を割るところです(図①参照)。ここで上昇トレンドが終わり、下降トレンドの始まりの予兆となります。その安値に引いた水平線のことを「ネックライン」と呼びます。このネックラインがトレンド転換のキーポイントとなりますので、しっかりと覚えておきましょう。
ネックラインを割ったことで、下降トレンドの予兆となりました。ここでダブルトップが完成します。そして、多くの投資家はダブルトップが完成すると、何の疑問も持たずに売りを仕掛けます。確かに売りを仕掛けるところではあるものの、このトレンド転換の予兆が本物かどうかを丁寧に確認する作業が大切です。この意識を持っているかどうかが、トレードにおいて安定的に勝てるようになれるかどうかの分かれ道になります。なぜなら、相場には絶対はなくダマシも多くあるからです。
ここから下降トレンドが継続するには、下降トレンドの定義である高値と安値が共に切り下がらなくてはいけません。ダブルトップが完成した後に、価格が反転してネックライン超えに挑戦していきます。そこで、ネックラインが抵抗となり再び反落し安値を更新することで、下降の動きに連続性が出てきてトレンド転換の可能性が高まります。
このネックラインで抵抗を受けて反転する動きのことを、サポレジ転換と呼びます。最初に引いたネックラインは支持線(サポート)でした。そして、ネックラインを割ることでWが完成しました。次にネックラインに挑戦するときは、それが抵抗線(レジスタンス)に切り替わっています。このサポートとレジスタンスの役割が入れ替わって機能することをサポレジ転換といいます。トレンド転換における重要なキーワードになりますので、この一連の流れをしっかりと理解してチャートの読解力を高めていきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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