FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年11月30日号
先週のドル円相場は
ドル円は週前半に一時104.76円まで反発。東京市場が勤労感謝の日で休場となった月曜日、米11月のPMI速報値が予想より強かったことや、英アストラゼネカとオックスフォード大が開発中のワクチンが最大90%の有効性を示したとの中間報告を行ったことを受けて、ドル買いが強まった。米国株式市場では、NYダウ平均がついに3万ドルの大台に乗せ、史上最高値を更新した。
しかしその後は米国感謝祭休暇を控えて利益確定の売りが優勢となり、金曜日には一時103.91円まで押し戻された。
ドル先安観
今年も残すところ1か月。米国では伝統的に、感謝祭休暇が過ぎると一気にホリデーシーズンに突入し、会社では上席の人から三々五々休暇に入り始め、ヘッジファンド勢は収益をぶれさせたくないため、大きな勝負を手控えるようになる。ドル円相場は年末にかけてこのまま104円近辺に収斂していくのかもしれない。
しかし中長期的に見ると、ドルの先安観はむしろ日に日に強まっている。ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは91.75ポイントまで下落し、年初来安値に顔合わせした。
良いドル安
筆者の見るところ、ドルの長期的な弱気材料は二つある。
一つ目はコロナ終結期待とそれに伴う株高だ。米ファイザーはすでにFDA(米食品医薬品局)にワクチンの緊急使用許可を申請し、現在承認待ち。12月10日に行われる有識者会合で承認されれば、早ければ12月11日にも接種が始まる。ワクチン開発でしのぎを削る他社もまもなく追随するだろう。
ワクチンの安全性や有効性に不安がないわけではないが、パンデミックに対して事実上行動制限しか対策がなかったこれまでとは明らかに違う「新たなフェーズ」に入ったことは確かだ。新規感染者数が世界中で過去最悪を更新する中での株高、NYダウの3万ドル突破は、コロナ克服とコロナ後の景気回復を先取りするものであり、文字通り新しい時代の到来を告げるものである。
株高でドル安というと違和感を感じるかもしれないが、現在の「ゲームのルール」では、株高はリスクオンを通じて主に安全通貨のドルを下落させる。ユーロやポンド、豪ドル、カナダドルなどは対ドルで上昇中だが、まもなく年初来高値を更新するだろう。ドル円では、安全通貨の円も並行して売られるためペースは緩やかとなるが、決して例外ではない。
株高がドル安につながり、ドル安は米国多国籍企業の収益向上を通じて株高にフィードバックするため、株高とドル安がスパイラル的に進行する可能性もある。これはいわば「良いドル安」シナリオである。
ドルインデックスはNYダウ(ピンク)と逆相関 出所:NetDania
悪いドル安
もう一つは米国の双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)が持続不可能な水準まで膨らんでいることだ。米国8月の貿易赤字は670億ドルと過去最大に迫った。今週金曜日には10月分の貿易収支が発表されるが、予想は-650億ドルと高水準の赤字だ。
財政赤字はさらに深刻で、コロナ対策で3兆ドルもの財政支出を行った結果、今年の対GDPでの赤字比率は18.7%(IMF予想)と先進国の中で突出する。
来年は民主党のバイデン大統領が積極的な財政政策を打ち出し、財政赤字はさらに拡大する見通しだ。また次期財務長官に指名予定のイエレン氏がFRBと協調して金融緩和政策の長期化を演出する可能性が高い。
双子の赤字は理論的に海外から同額の資本輸入をもって賄わなければならないが、米国金利がかつてない低水準とあって、投資家も積極的にドルを買うわけにはいかない。となると、投資家がドルを買ってもよいと考える水準までドル安が進行せざるを得ない。これはドルの基軸通貨としての地位を脅かす「悪いドル安」シナリオだ。
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スタンスは戻り売り
「良いドル安」か「悪いドル安」か、あるいはそのミックスかは定かでないが、筆者はいずれにせよ来年もドル安との見方を強めている。ホリデーシーズン中も戻り売りスタンスは継続するべきだろう。
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