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東大卒理論派トレーダーは自己流ナンピンをループ・イフダンで自動化[七瀬玲]

ナンピン手法でストレスなく

「もともと手動でトラリピのような自己流ナンピンを行っていました。一定の値幅で等量を取引していくやり方です。スウィングやスキャルピングでも稼げてはいましたが、負けたときにストレスがたまる。機械的に行う自己流ナンピンのほうが好みでした」

そう話すのは、専業トレーダーの七瀬玲氏だ。

「専業になってからはストレスが少なく、コンスタントに稼げる自己流ナンピンの比率を増やしていましたが、決済されるたびに手動で注文を入れなおすのが面倒でもありました。そこで登場したのが、アイネット証券のループ・イフダン。細かな設定ができない難点もありますが、低コストでリスク管理もしやすいので、手動で発注していた自己流ナンピンをループ・イフダンへ移行しました」

トラリピとの違いはコスト

ループ・イフダンの登場以前からトラリピはあったはずだが、なぜ利用しなかったのだろうか。

「トラリピとループ・イフダンの違いを仕組みの面からいえば、『自分で値幅を設定できるか、できないか』。トラリピはエントリーするレートや値幅を自由に設定できる利点がありますが、一方で、取引コストが高いのは非常に大きな難点。ループ・イフダンの『米ドル/円B15-15』と同じ運用をトラリピですると20%以上も利益が減ってしまう計算になります」

同じナンピン型の発注機能であれば、コストの低いほうで取引したほうがいい、という発想だ。

2通貨ペアで同時に運用

では、七瀬氏はループ・イフダンをどう使っているのか。

「『米ドル/円』と『豪ドル/円』の2通貨ペアを、ともに買いのシステムで運用しています。長期的な相場観として米ドル高と豪ドル高が進むだろうと思っているためです。長期的な視野で安定した利益を目指す戦略なら数カ月、数年単位での長めな相場観をもったほうがいいと思います」

ナンピン的な買い下がりだと決済できずに、含み損を抱えてしまう塩漬けが不可避。しかし、長期トレンドに沿った方向のポジションであれば、いずれ決済チャンスが訪れるし、円売りポジションであれば、塩漬け期間中にスワップ金利を得られる。

「『米ドル/円』は15銭ごとに買い下がる『B15-15』を、『豪ドル/円』は40銭ごとに買い下がる『B40-40』を稼働させています。ループ・イフダンには15銭ごとに売買するものから、1円ごとに売買するものまでさまざまありますが、値幅が小さいものほど多くポジションをとるので、損失が膨らむリスクがあります」

15銭幅のループ・イフダンだと、1円の下落のなかで6、7個のポジションをとるから、下落時には含み損が膨らみやすい。そこで欠かせないのがリスク管理だ。「もっとも重要なのは、下落時の最大損失を把握すること。強制ロスカットさえ逃れられれば、戻ってきたときにコツコツ稼げます。ですから、史上最安値まで下落しても、証拠金がゼロにならないよう、あらかじめ計算したうえで、値幅や最大ポジション数を決めています」

重複レート発注はオフにしておく

ループ・イフダンでは設定した数以上はポジションを取らないよう、最大ポジション数の設定ができる。リスク管理上、非常に重要な機能だ。

「逆に、同値で複数ポジションを取る『重複レート発注機能』を使うと、どのくらいのポジションをとるのか計算できず、リスク管理ができなくなるので、オフにしています」

そのうえで、市場最安値、1ドル=75円32銭を意識していこう。

「上表は15銭ごとに取引する『米ドル/円』のシステムを選んだ場合の含み損想定額です。資金100万円・1000通貨なら、最大ポジション数を30〜40の間にしておかないと、始めてから過去最安値水準の75円まで一直線に下がった場合、ロスカットされてしまうことがわかります」

実際の相場では、最安値水準に達するまで何度かの利益確定をしてくれるはずだから、最大ポジション数を40にしておけば、耐えられそうだ。

「私はドル高の相場観なので、少し基準を甘くして、最大50ポジションで運用しています。豪ドルの場合も同じように計算して、40銭ごとに買うシステムを最大50ポジションで運用しています」

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ループ・イフダン「真の利益」とは

「アイネット証券では過去の実績も見られますが、注意したいのが、重複レート発注機能をオンにしたときの実績だということ。オフにしたときの『真の利益』を公開しているのは、私のブログだけだと思います」

ループ・イフダンについては、アイネット証券よりも、七瀬氏のブログのほうが情報は充実しているくらいなので、ループ・イフダンを使う際はぜひ参考に。

※この記事は、FX攻略.com2014年12月号の記事を転載・再編集したものです

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