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ギリシャ問題の着地点とユーロ・米ドル・円の行方[雨夜恒一郎]

交渉はまだ続いていく

7月5日日曜日に行われたギリシャ国民投票で緊縮策に反対多数となったことから、悲観論者たちは「すわ交渉決裂・本格的デフォルト・ユーロ圏離脱」という最悪シナリオを唱え始めた。しかし、実際には交渉窓口は閉ざされたわけではなく、まだギリギリの駆け引きは続いている。

現時点(8日)での情報によれば、ギリシャが債権団に対して8日にも新たな提案を行い、11日にユーロ圏財務相会合が、12日に緊急首脳会議が開催される可能性がある。ギリシャはESM(欧州安定メカニズム)を利用したつなぎ融資を要請するとも報じられている。

デフォルトではなく「弁済遅延」

まず、重要なことは、ギリシャの問題債務は債権団からギリシャ政府・中銀への融資であるため、債権団がデフォルト宣告しない限り、デフォルトにはならない(弁済遅延という扱いになる)。ギリシャの国庫が底を突き、債権団への返済が滞っているのは事実だが、直ちにデフォルトとなるわけではない。

Grexitは望まれていない

ギリシャ国民はこれ以上の緊縮財政には反対だが、ユーロ圏からの離脱は望んでいない。チプラス首相は「民意」をバックに債権団から新たな譲歩を引き出すのが狙いだが、ユーロ圏には残留の意向を示している。ギリシャはすでに一定の緊縮策を受け入れており、債権団の不興を買っていた強硬派のバルファキス財務相を事実上更迭したことで、交渉が進展する可能性もある。

ユーロ圏も、地政学上重要なギリシャを切り捨てる選択肢は取りえない。NATO(北大西洋条約機構)の盟主である米国も、ギリシャがEUを離れロシアや中国に接近することを容認しないだろう。

また、ギリシャの離脱を容認すれば、悪しき前例をつくることになり、今後、他の債務国にとっての火種になりかねない。結局のところは、ギリシャに対してもっとも厳しい態度をとっていたドイツが譲歩するかたちで決着せざるを得ないのではないか。

「ユーロ/米ドル」「ユーロ/円」

もちろん、すべての不確実性が取り除かれるとは考えにくく、これでユーロ底入れと見るのは早計だろう。しかし、少なくともギリシャの無秩序なデフォルトやユーロ圏離脱のリスクは小さいとすれば、事態は先週までとあまり変わっておらず、これ以上ユーロを売り込む理由も乏しくなる。

「ユーロ/米ドル」は1.09ドル台、「ユーロ/円」は133円台が当面の底となり、しばらくは1.10-1.13ドル、134-138円程度のレンジで落ち着きどころを探る展開に移行する可能性が高い。ユーロショートはいったん手仕舞いが妥当であり、今後の交渉の進展によってはドテン買いも選択肢に入ってくるだろう。

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「米ドル/円」

「米ドル/円」も、月曜日早朝につけた121.70円が当面の底値となる可能性が高く、徐々に下値固めの段階に移行していくと予想する。今後、交渉の合意やユーロ残留の見通しが立てば、急転直下、株価急騰・円安の展開となる可能性もある。

ただし、米国債利回りが低下し、年内利上げ開始も危ぶまれる状況になっていることから、ドルの上値もおのずと限られる。結局のところ、売り買いともに決め手がなく、従来のレンジである122-124円でもみ合いが続くと見るのが妥当だろう。(執筆日7月8日)

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