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投資の哲学 第6回 知恵と知識[松下誠]

知恵と知識の違い

「知恵」とは、「智慧」という文字が新しく表記された言葉である。「智慧」とは、物事の道理を判断し処理していく心の動きや、ものごとをありのままに把握し、真理を見極める認識力という意味である。

これに対し、「知識」とは、客観的で確定的な認識内容をいう。つまり、知恵の元にあるのは道理や真理であり、知識の元にあるのは客観認識であるということになる。

この2つの言葉を考えると、FXトレードで成功を収めるためには、知恵と知識の両方とも必要であるといえる。これらは投資においては車の両輪のように、双方が揃って初めて成立するものなのだ。FXトレードの投資家が知恵と知識の両方を準備しているかというと、必ずしもそうではない。むしろ、どちらも意識して準備している人はごく少数である。

FXトレードで勝つためには、ある程度広範で専門的な知識が必要なことは誰にでも想像できるだろう。それゆえ生真面目なタイプの投資家は知識を追い求める。もちろん、悪いことではない。しかし、知恵については、それが道理や真理に基づく以上、気づきにくいものとなっている。なぜなら道理や真理とは、そこに在ることが当たり前であり、当たり前であるがゆえに気づきにくいのだ。

日々の生活のなかで、「どう生きればよいでしょう?」と生き方を聞く人は珍しい。ただし、「生き方にもノウハウがある」と気づいた人は、自分の意志で大きく人生を転換させたり、浮上させたりすることができるものだ。投資における知恵も、それに気づいた人が自分の意志で自分の相場をコントロールできるようになるのである。

投資における知恵と知識

ここで投資における知恵と知識とは何かを確認し、それをどのように手に入れていくのかを考えてみたい。知識とは、客観的で確定された認識なので、すでに確認された共通認識である。つまり、統計的に確認され、体系化された各種の投資理論やセオリー、テクニカル分析、ファンダメンタル分析などは知識である。これらを学び、身に着けるために、投資家は本を読む。

知識は客観的で確定された共通認識であるので、文字として記され、書籍や論文、レポートなどの形で伝え、教え、学ぶことができる。だからこそ、投資の書籍は数多く存在し、私たちはその書籍から知識を得て、トレードに臨むのだ。

しかし、知識だけで、投資に勝つことはできない。できたとしても、まぐれ当たりの範疇を超えず、成功の継続性はないだろう。だからこそ知恵を学び、身に着けていく必要があるのだ。では、知恵とは、どのように学び、身に着けることができるのだろうか。

知恵とは、道理であり真理である。これを学ぶことは容易ではない。リンゴが木から落ちるのは真理だが、私たちはその理屈を正確に理解しているかというと、意外にそうではない。投資における道理、真理とは何だろうか? そして、それをどう学んだらよいのだろうか? ニュートンが万有引力の法則を導いたのは、リンゴが木から落ちるという現象を見た、すなわち経験したからだ。

道理や真理とは経験や体験によって、あるいは、それを見出した先人からの伝聞によって学ぶことができる。それを考えると、投資の世界にあって、知恵を身に着けている人は少ない。なぜなら、知恵に辿り着く経験をする前に、資金を破綻させ、知恵を手に入れることなく市場から撤退してしまうからだ。

また、知恵をもつ先人に、知恵の教えを請う人も少ない。そうして、投資家は知識だけにすがり、知恵を手に入れることなく、敗れて去っていくのだ。知恵と知識の両方を手に入れ、FXトレードで勝つためには、知識を情報として雑誌や書籍、ウエブサイトなどから吸収し、知恵を経験者や先人の教えから学ぶ必要があるのだ。

私は投資を始めて最初の2年間猛勉強し、十分な知識を手に入れていたと思っていたが、利益を上げることはできなかった。当時の私に決定的に足りなかったものは知恵だったのだ。私は、投資における道理や真理を、何度も師匠に聞いた。それはセミナー参加者と講師という立場であったが、私と師匠の間に知恵の伝達があった。

私が利益を上げられるようになったきっかけは、資金管理と、トレードルールを確立したことだった。具体的には、売買サイズ、利食いと損切りのポイントを、理に適ったものへと変えたのだ。これらはあたかも知識から得られる技術のようにとらえられるかもしれないが、本質部分は道理であり、真理である。これは、師匠から学んだ知恵だ。

先人の教えのなかには、そのときには気づかなくとも、あとで必ず役に立つ知恵が隠れているのだ。それは反復のなかで、少しずつ見えてくる。知恵を学び、身に着けるためには、ものごとを深く考え、本気で取り組む必要がある。体に染み込ませるには、時間をかけて反復する必要がある。その過程を経るからこそ、身に着いた知恵は、体と心から離れることはないのだ。知恵と知識を両方備えた投資家になれば、利益は盤石なものとなる。

相場における人間力

相場の世界で生き残り、利益を上げていくために知恵と知識を兼ね備えたあなたは、投資家として十分な器と人間力をもつことになる。そして、知恵と知識を伝えていく義務も生じるのだ。知恵だけが先行し、殻を破れないことがあるかもしれない。そのときには、新しい知識を吸収することにより、知恵を補い新たな可能性を切り拓くことも可能なはずだ。

生きていくこともまた同じで、今、あなたが時間を費やしていることが知識のためなのか、知恵のためなのかを考えてみるとよい。知恵の習得が知識の習得よりもはるかに難しいことに気がつくだろう。知恵を備えていれば万事を俯瞰して見ることができ、無駄やトラブルを避け、より質の高い人生を歩むことができる。

知恵は利用価値が高いからこそ、習得が難しい。この知恵を学ぶには経験が第一だが、経験にはリスクがつきまとう。リスクを取れるときなら思い切って行動し、リスクを取れないのなら本気で取り組む気概で緻密なシミュレーションをするしかない。投資も人生も何ごとも本気で取り組む姿勢が大事なのである。(月刊FX攻略.com 2013年11月号掲載)

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