夏休みムードの市場を突如襲った「人民元ショック」は、先週木曜日に中国人民銀行が「人民元相場の調整はほぼ完了した」との声明を発したことで、ひとまず小康状態となった。しかし中国は通貨政策を大きく転換した可能性が高く、事態収束と見るのは尚早だ。
数年前までは「中国は人民元相場を不当に低い水準に設定している」の批判が強く、実際中国は人民元相場の柔軟性強化という名目で切り上げを実施してきた。下のチャートに示した通り、2010年に1ドル=6.82元前後であった相場は、2014年には6.05元付近となり、この間実に11%あまりの人民元高となっている。高い成長を求めて大量の投資・投機マネーが中国市場に流入したのもこの時期である。
出所:NetDania
しかし現在の事情は180度異なる。中国の景気は政府の想定以上に減速、不動産市場は供給過剰で冷え込み、株式市場もバブル崩壊の危機にある。人民元は割安で放っておけば(管理相場をやめれば)上昇すると考えている向きがまだ少なくないが、実際は逆で、人民元はすでに割高となっている可能性が高い。
それでも中国が最近まで人民元の切り下げをしてこなかったのは、急激な資本流出による混乱を恐れていたからと考えられる。逆に言うと、今回そうしたリスクを承知で人民元の大幅切り下げを実施したのは、それだけ中国経済が厳しいからだと解釈できる。中国は今後も金融緩和政策を継続する一方、通貨政策を人民元安誘導に舵を切った可能性が高い。中国と貿易で競合関係にあるアジア通貨や、中国経済に敏感な資源国通貨(豪ドル・カナダドル)に対しては、さらに下値警戒姿勢を強めておくべきだ。
ではドル円相場への影響はどうか。人民元の下落は中国の輸出競争力向上=日本の輸入拡大や、中国景気へのプラス効果を通じて、長期的には円安方向に作用するかもしれない。しかし物価や人件費がすでに高く、ほかにもさまざまなリスクを抱える中国からの資本流出が加速すれば、短期~中期的にはむしろ円高要因となる可能性の方が高い。今週も中国人民銀行の動向を注視しつつ、ドル安・円高方向への備えをしておくのが賢明だろう。
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