先週の米ドル/円相場
先週金曜日に発表された米国4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が予想の+20万人を大きく下回る+16万人となり、2月・3月分も合計1.9万人下方修正された。失業率は5.0%と予想の4.9%より弱かった。これらの結果を受けて、米ドル/円は一時106.45円まで下落したが、ドル売りは長続きせず、106円台後半でしばらくもみ合ったのちに107.20円付近まで買い戻されて週の取引を終えた。
ドル売りが長続きしなかった理由
NFPが弱かったにもかかわらず、ドルが意外に底堅かった理由の一つには、平均時給の伸びが予想を上回ったことが挙げられる。4月の平均時給は前年同月比で2.5%上昇し、前回の2.3%、予想の2.4%を上回った。平均時給の伸びはリーマンショック後一時1.6%まで低下し、長らく2%前後で低迷してきたが、ここ1年は下値を切り上げつつ上値をうかがう動きとなっている。2.5%をつけるのは昨年11月以降4回目だが、実はこれは2009年11月以来の高水準である。
米国平均時給・前年比 出所:労働統計局・FXStreet
アメリカ追加利上げの蓋然性
NFPはこのところ平均で22万人前後の伸びを続けてきたが、労働市場が完全雇用に近づく(=余っている労働力がいなくなる)中で、今後伸びが鈍化するとの見方が出ている。イエレンFRB議長は、人口の伸びに見合った経済成長ペースを維持するには月10万人の雇用増で十分だと指摘している。また今後労働力が不足し、企業側から見て人材の採用が難しくなれば、賃金はおのずと上昇するはずだ。2%の物価上昇には3%の賃金上昇が必要といわれるが、平均賃金の伸びが今後3%に接近していくと確信できれば、追加利上げの蓋然性は高まっていくだろう。
FOMCのキーパーソンの一人であるニューヨーク連銀のダドリー総裁はニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、今回の雇用統計をさほど懸念していないとし、年内2回の利上げは引き続き「妥当な予想」との考えを示した。ちなみにダドリー氏は格別にタカ派的というわけではなく、むしろハト派に属する人物である。「年内2回の利上げ」は、依然としてFOMCのコンセンサスと考えてよい。
これに対してFF金利先物市場は現在、6月FOMCでの利上げ確率を1割程度と見込んでおり、年内一度も利上げがない確率も4割程度織り込んでいる。ダドリー氏の発言を信ずるならば、市場の金利観は下振れしすぎであり、参加者はFRBの利上げ意欲を過小評価しているということになる。今後6月または9月に利上げとの見方が再浮上してくれば、ドルにも反発の余地が出てくるのではないか。
今週注目の経済指標
今週は米小売売上高や生産者物価など4月のハードデータの発表が始まり、金曜日には5月最初の指標であるミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。ひとまずスタンスを中立に戻し、データを再点検すべき時期と考える。
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