FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年2月6日号
先週の米ドル/円は112円台へ下落
先週の米ドル/円相場は、トランプ大統領がイスラムの一部の国からの入国規制や、難民・移民の受け入れ停止・凍結などを命じる大統領令に署名したことを受けて不透明感が広がり、112円台と2か月ぶりの水準へ下落した。米国1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+22.7万人と予想の+17.5万人を上回ったものの、注目の平均時給が前年比+2.5%(前回+2.9%、予想+2.8%)と振るわなかったことからドル買いにはつながらなかった。
2月10日、日米首脳会談
トランプ大統領の一挙手一投足に振り回される展開が続いている。今週の注目イベントは2月10日にワシントンで行われる日米首脳会談だ。麻生財務相も同行する予定となっていることから、為替問題も議題に上る可能性が高い。
トランプ大統領は1月20日の就任以来保護主義的な主張を露わにしており、1月31日には日本を「通貨を切り下げ、マネーマーケットを仕組んでいる」と痛烈に批判した。筆者はこれまで米国は「強いドル政策」を掲げているほうが得だし、トランプ大統領もそれを理解していると考えていたが、残念ながらそれは少々甘かったようだ。
トランプ大統領のトップアジェンダとは
トランプ大統領誕生の原動力となったのは、主に中西部、特にイリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニアなどいわゆる「ラストベルト」(錆びた工場地帯)に住む白人低所得者層(プアホワイト)の支持だった。グローバリズムの恩恵を最も受けていない彼らは、工場の閉鎖に伴って職を失い、不本意ながらパートタイムで働いている者が多い。米国の労働市場はほぼ完全雇用状態にあるが、こうした質的なスラック(弛み)は今なお解消されていない。
米国中西部・ラストベルト
トランプ大統領はこの中西部・ラストベルトのプアホワイト層に「いい顔」をしたいのだと考えると理解しやすい。つまりこの地域に雇用を創出することこそがトランプ大統領のトップアジェンダなのだ。そしてこの地域の中核的産業は自動車産業であり、日本とまともにバッティングする。
したがって日本、特に日本の自動車業界に対してはどうしても厳しい態度で臨まざるを得ない。日本政府に対しては「通貨切り下げをするな。市場を操作するな」とプレッシャーをかけ、日本が最も困る円高を人質に取ることも厭わないだろう。円高を回避したければ、米国への投資など新たな手土産を用意しろというわけだ。事実、トヨタ自動車はすでに今後5年で米国に100億ドルを投資する計画を明らかにしているし、日本政府も今回の首脳会談で米国での雇用創出に協力するため包括的な政策を提示する方向で検討に入ったと報じられている。
今後のトレンドは?
中長期的に見ればファンダメンタルズや金利動向に従ってドル高トレンドが続いていくと考えるのが合理的だが、短期的には情緒的・感情的な円高圧力が無視できない局面だ。トランプラリー(101.20円→118.66円)の38.2%押しに当たる112円が割れてくるようだと、半値押しの110円までの続落を覚悟しなくてはならない。当面は頭を低くして嵐が過ぎ去るのを待つしかなさそうだ。
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